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鵞足炎とは|ランナーに多い膝の内側の痛み

多くのランニング愛好者が、膝の内側に痛みを感じた経験があるかもしれません。特に膝の内側後方での痛み、突っ張る感じや腫れがあれば、鵞足炎かもしれません。運動を始めた時に違和感があっても、ウォーミングアップで体が温まると楽になることが多いため、鵞足炎は見過ごされがちです。この記事では、そんな鵞足炎についてまとめます。

鵞足炎とは

鵞足とは?

鵞足は、膝の内側に位置する特定の部位を指し、半腱様筋、薄筋、縫工筋の3つの筋肉の腱が脛骨(すねの骨)に結合しています。この部位は膝から約5cm下のすねの内側にあります。また鵞足には、摩擦を軽減するクッションとして機能する小さなゼリー状の袋である鵞足滑液包が存在します。

鵞足炎とは?

鵞足炎は、ランニングやジャンプ動作など膝の屈伸による摩擦が繰り返されて、鵞足の腱付着部、あるいは鵞足滑液包が炎症を起こし痛みが生じることです。特に、長距離走、バスケットボール、ラケットスポーツなどで起こりやすいと言われています。水泳も平泳ぎは膝に負担がかかりやすく、発生しやすい競技の一つです。

鵞足炎の症状

鵞足炎はどんな痛み?

膝の内側や少し後ろの部分で感じる痛み、突っ張り感、腫れが主な症状です。特に接地する時に鋭い痛みを感じたり、膝を曲げ伸ばす際に引っかかるような違和感を覚えることがあります。初期段階では、運動を始めると違和感があるものの、ウォーミングアップで体が温まると楽になりますが、繰り返し運動をすると徐々にまた違和感が現れます。症状が悪化すると、体が温まっても違和感が消えず、練習の途中で痛みが増し、中断しなければならなくなります。さらに状態が進むと、ウォーミングアップ後も痛みや引っかかり感が残り、練習ができなくなることもあります。

鵞足炎になりやすい人は?

鵞足炎の主な原因はオーバーユースですが、鵞足を構成する筋肉の疲労が蓄積し、柔軟性が低下すると、そのリスクはさらに高まります。また、鵞足を形成する腱が膝の内側の骨に擦れやすい状態にある場合もリスクが増します。特に、ランニング中に膝が内側にぶれる動きをする人や、もともとX脚気味の人は鵞足炎になりやすい傾向があります。そのため、適切なランニングフォームを身につけることが重要です。

鵞足炎の治療と予防、リコンディショニング

鵞足炎かどうかはどのように判断するの?

整形外科では触診により、痛みの有無・部位を特定します(膝の内側や鵞足部分に圧痛があるか、腫脹の有無、また内側ハムストリングスや薄筋を伸ばすことで痛みが起こるかなど)。またX線検査、超音波やMRI検査などで評価します。

 

なお、内側半月損傷、脛骨内顆疲労骨折、変形性膝関節症(内側の骨棘)などが膝の内側に類似した痛みを起こします。ランニングによるオーバーユースで膝の内側ではなく、外側で同様の症状が出る場合は、腸脛靱帯炎(ちょうけいじんたいえん)の可能性があります。

 

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鵞足炎はどう治すの?

オーバーユースのため保存療法が中心となります。第一に局所の安静、つまり、ランニングの休止が重要です。急性期には鵞足部のアイシングを行います。次に、半膜様筋、半腱様筋、薄筋などのストレッチングを行い、鵞足の腱の緊張を減らします。並行して、消炎鎮痛剤の外用薬の使用、症状が強い場合は内服薬を使用することもあります。また、超音波などの物理療法により筋肉の緊張緩和を行う場合もあります。

 

保存療法で改善がない場合、鵞足の腱周囲にヒアルロン酸や、ステロイドの注入を行うこともあります。それでも効果がない場合には、鵞足を覆う支帯や腱鞘をゆるめる手術も検討されます。

 

また、膝の負担を減らすためにサポーターやインソールが推奨されることがあります。

鵞足炎を予防するために

ストレッチングの習慣化:定期的にストレッチを行うことで身体の硬さをチェックし、筋肉の疲労度を知ることができます。オーバーユース症候群の多くには予兆がありますから、疲労の蓄積を見極め、それらのサインを見逃さないことが大切です。ストレッチをすることによって、疲労の回復を助け、鵞足炎はもちろんのこと、他の様々なケガの予防にもつながります。

 

具体的には股関節の外転筋と外旋筋である中殿筋、大殿筋をトレーニングし、内側ハムストリングス(半膜様筋と半腱様筋)と内転筋(薄筋)のストレッチングを行い、下腿が外旋することを防ぐことが鵞足炎の予防策となります。

ハムストリングスのストレッチ

内転筋のストレッチ

フォームのチェック:膝を内側に絞りながらのジャンプや着地、膝が内側に入り、足の爪先が外を向くランニングフォームは鵞足炎のリスクを増加させます。適切なランニングフォームを身につけることで、ケガを防ぎ、パフォーマンスも向上させることが可能です。効率的に前進することがランニングフォームの基本であり、横方向の動きは身体に余計な負担をかけます。基本的なランニングフォームをマスターした後に、球技などの横方向への動きを考えることが、ケガの予防とパフォーマンス向上に役立ちます。

ケガを予防する下半身の動き

シューズの選び方やインソールの活用:サッカー、バスケットボール、バレーボールなどの球技を行う選手がトレーニングでランニングをする際、球技用のシューズで走ることで痛みを感じることがあります。ランニングのトレーニングには、ランニング専用のシューズを使用したほうが良いでしょう。またインソールを使い、膝の負担を和らげることもおすすめします。

リコンディショニング

競技復帰に向けて、主治医の指導のもとで痛みの状態を確認しながらトレーニングを進めましょう。最初は着地時の衝撃がない水中歩行、水泳、自転車などから始め、走るスピードや距離の急激な増加を避けてください。ただし、鵞足部に負担がかかる平泳ぎは痛みや違和感がある間は避けてください。半膜様筋と半腱様筋、薄筋のストレッチは継続して行います。

 

また上記で紹介した「ケガを予防する下半身の動き」を参考に、膝が内側に入る動きを修正するために、中殿筋、大殿筋のトレーニングを行いましょう。スクワットや階段歩行でも正しい動きを身体に覚えさせる助けとなります。競技復帰後も、患部のアイシングを続けましょう。

参考文献

  • 『対策HANDBOOK 膝の痛み』ZAMST
  • 『Sports Medicine Library』ZAMST
  • 医療情報科学研究所 『病気がみえるvol.11 運動器・整形外科』メディックメディア
  • Prapto D, Dreyer MA. Anatomy, Bony Pelvis and Lower Limb: Navicular Bone. [Updated 2022 Aug 29].
  • Mohseni M, Mabrouk A, Graham C. Pes Anserine Bursitis. [Updated 2023 Apr 22].

記事監修・整形外科医

毛利 晃大先生
毛利 晃大先生
順天堂大学医学部卒業、日本救急医学会専門医、日本整形外科学会会員 日本医師会認定スポーツ医、日本バスケットボール協会スポーツ医学委員会所属ドクター

膝の痛みについてより深く学びたい方へ

各痛みに関するドクターによる症状解説、トレーナーによる対処法解説がアーカイブ化されています。
※サポーターの使用によりこれらの症状に効果があるわけではありません。