スポーツをするジュニアのための体のケア
スポーツを楽しむ子供たちはどんな怪我が多いのか、サッカー、バスケットボール、バレーボールを楽しむ子供たちにアンケートを行いました。その結果をもとに、スポーツをする子供たちを持つ保護者や指導者はどんなことに気をつけるべきか、整理してみました。
サッカー、バスケットボール、バレーそれぞれの怪我の特徴
競技別に、プレー中の怪我経験について子供たち(小学生)に訪ねたところ、足首の捻挫、かかとの痛みについてはサッカーが他の競技よりもやや多い結果となりました。 突き指に関しては、サッカーと比較してバスケットボール、バレーボールが顕著に高い割合を示しました。 オスグッド・シュラッター病に関してはバスケットボールが他競技よりも高くなりました。
ジュニアサッカー(少年サッカー)で起きやすい怪我ランキング
https://www.zamst-online.jp/hpgen/HPB/entries/203.html
スポーツをする子供たちのために、注意すべき5つのポイント
ポイント①
一人ひとりで発育の早さが異なるため、大人よりも怪我の発生・再発の予測が困難です。
ポイント②
骨や軟骨、筋力の未発達や、それに伴うフォームの未熟さが、カラダのストレスになることがあります。
ポイント③
子供は1年で10センチ以上も身長が伸びることがあります。しかし、骨の伸びに対して筋肉の発達が追いつかず、様々な怪我を起こす要因となります。
ポイント④
ジュニア期の怪我は、放っておくと後遺症が残る場合もあるので早期の対応が大切です。
ポイント⑤
ちょっとした痛みでは、子供たちは我慢をしがちです。試合に出たいために言わない場合もあるでしょう。自分の身体を知ることの大切さを理解することを促し、違和感があれば、すぐに話ができる環境づくりをしましょう。
成長期は骨の脆弱期?
子供の身体は形成途中のため、大人と比べても骨密度が高くありません。身長が急激に伸びることで、骨の成長が追いつかずに骨密度が低くなる時期もあります。つまり骨の強度が自然と弱くなり骨折のリスクも高くなっています。
また、成長期の骨は端と端を伸ばしながら大きくなっていきます。成長過程の骨と骨とが接合し合った関節内部にある線を骨端線(コッタンセン)と言います。例えば成長期の子供のかかとの骨は骨端線がまだ閉じていないため、「踵骨骨端核(しょうこつこったんかく)」と「成長軟骨」に分かれています。この周囲にストレスが繰り返され、炎症を起こすことで生じるのがシーバー病です。これも成長期の脆弱な骨ならではの疾患の一例です。
怪我の予防・再発防止のために
納得のいくプレーは食生活から
スポーツには集中力が欠かせません。集中力がなくなってくるとプレーが散漫になり怪我もしやすくなります。集中力の源は糖質。脳のエネルギーになる成分です。食事の際は、おかずだけでなく、糖質が含まれているごはんやパンをきちんと取るようにしましょう。
スポーツをする子供は8時間以上の睡眠を
脳下垂体から分泌される成長ホルモンは睡眠と深い関わりがあります。成長ホルモンが盛んに分泌されるのは主に運動後と夜間の睡眠中です。また睡眠不足は運動中の集中力を低下させるので、怪我にもつながりやすくなります。
また、成長ホルモンは、骨を強くする物質が肝臓から分泌されることを促します。また、筋肉を強化し、代謝を促進する働きも担います。怪我に負けない身体を作るためにも、幼少期から思春期にかけてしっかりと睡眠を取ることが大事なのです。
子供の怪我予防とサポーター
大人のアスリートにとって、怪我の再発予防にサポーターをするのは当たり前ですが、骨が脆弱で、筋肉の成長もおいつかない子供たちにも必要に応じてサポーターを活用することができます。
大人用のサポーターも使えるの?
ザムストのサポーターはSサイズから幅広いサイズをラインナップしているものが多くあります。サイズが適用範囲内であれば子供でも大人用のサポーターの利用が可能です。怪我のリスクが高まる9歳~10歳くらいから使用することができるでしょう。
足首のトラブルにはどのサポーターが良いの?
サッカーであれば「FILMISTA ANKLE」、その他の競技では「A1ショート」をお勧めします。いずれも、テーピング理論を応用した設計で内反の動き(足首が内側へ曲げられる動き)を抑制します。
テーピングやバンテージよりカンタンに素早く装着できるサッカー用の足首用サポーターです。
動きやすさを重視したショートタイプの足首用サポーターで、ジャンプを伴う競技におすすめです。着地や切り返し時に起きやすい内反の動きを抑制します。
かかとや足裏のトラブルにはどのサポーターが良いの?
かかとや足裏のトラブルには「ヒール&アーチサポーター」をお勧めします。クッション性のあるパッドでかかとへの衝撃を緩和、サポート設計による足裏のアーチをサポートします。
ソックスのように履くだけで、子供でも着脱が簡単です。足裏への負担を軽減します。
成長期のヒザのトラブルにはどのサポーターが良いの?
成長期のヒザのトラブルの場合には、「JK-1」をお勧めします。本体内側のPTパッドによる圧迫で、膝下にかかる負担を軽減します。
成長期の小学校高学年から高校生向け。膝全体をホールドし、サポーター本体内側のPTパッドによる適度な圧迫で、膝下にかかる負担を軽減します。
参考文献
- 『対策HANDBOOK スポーツをするジュニアへのアドバイス集』ZAMST
この記事で紹介した商品
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- ザムスト FILMISTA ANKLE
(足首用サポーター 左右別) - 足首の軽い圧迫・保護に
- テーピングやバンテージよりカンタンに素早く装着できるサッカー用
- 商品を見る
- ザムスト FILMISTA ANKLE
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- ザムスト A1ショート
(足首用サポーター 左右別) - 内反の動きを抑制
- 丈が短く、より動きやすさを求めたタイプ
- 商品を見る
- ザムスト A1ショート
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- ザムスト ヒール&アーチサポーター
(1枚入り 左右兼用) - かかとへの衝撃緩和・足裏の負担を軽減
- クッション性のあるパッドでかかとの衝撃を緩和。足裏部分のサポート設計で足裏のアーチを支える。
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- ザムスト ヒール&アーチサポーター
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- ザムスト JK-1
(膝サポーター 左右兼用) - 成長期の膝のトラブルにおすすめのサポーター
- 成長期の小学校高学年から高校生向け。膝全体をホールドし、負荷を軽減します。
- 商品を見る
- ザムスト JK-1
足の痛みについてより深く学びたい方へ
各痛みに関するドクターによる症状解説、トレーナーによる対処法解説がアーカイブ化されています。
※サポーターの使用によりこれらの症状に効果があるわけではありません。
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- 足関節捻挫 / Ankle sprain
- 足関節捻挫(靱帯損傷)はスポーツによる急性外傷としては最も頻度が高く、かつ重症度の高い障害ですが、軽視され慢性化する場合が多いので注意を要します。
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- オスグッド病 (オスグッド・シュラッター病) / Osgood-Schlatter disease
- オスグッド病では、ジャンプ動作での膝屈伸時や、ダッシュやキック動作によって脛骨結節部が強く引っ張られ、同部がはがれたり炎症を起こしたりして痛みが発生する。
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- 足底腱膜炎 / Plantar fascitis
- 足底筋(腱)膜炎は、マラソンなどの競技者に多く見られる、ランニング動作の繰り返しによる障害で、足底部のオーバーユースを原因として発症しやすいものです。
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- ジョーンズ骨折 / Jones fracture
- ジョーンズ骨折は、ランニングやジャンプ動作による過度の体重負荷が、長時間、足部アーチに繰り返し加わることで発生するオーバーユースに起因するスポーツ障害です。金属疲労(金属板の折り曲げ運動)と同様に、繰り返しのストレスが中足骨に加わって起こります。また一般的な骨折とは発生原因が異なり自覚症状が出にくいので、見過ごされることがあります。