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2025.07.04

アスリートに「肩こり対策ストレッチ」〜パフォーマンスを落とさないために〜

「肩こり」と聞くとデスクワークの人の悩みに思われがちですが、実はアスリートにも多く見られます。肩甲骨の動きが悪くなると、スムーズな腕の振りやフォームの安定が損なわれ、競技パフォーマンスの低下につながることも。原因は、オーバーユースによる筋肉のこわばりやストレッチ不足、姿勢の崩れなどさまざまです。
この記事では、特に肩まわりに不調を感じやすいアスリートに向けて、「いつものストレッチにプラスして取り入れたい7つのストレッチ」を紹介します。どれも器具不要で、その場で取り組めるメニューです。ウォーミングアップやクールダウンの一環として、日々のケアに取り入れてみましょう。

アスリートの肩こりにおすすめのストレッチ1:肩のインナーマッスルストレッチ

このストレッチのターゲットとなるのは小円筋(しょうえんきん)と棘下筋(きょっかきん)であり、投げる動作で力発揮が必要な筋肉です。また、この筋群が柔らかいと肩の可動域も広がるので、競技に関わらず広くアスリートに重要といえます。

1. 横になって下側の腕を立てる

横になり、下の腕を肩と水平に前に出して肘を90度に曲げます。手のひらは足のほうを向けます。

 

2. 反対側の手で抑えながら手の甲を倒す

反対の手を手の甲に添え、ゆっくりと床方向に倒してキープ。肩が床から浮かないようにし、肩の奥にじわじわ効いている感覚を意識しましょう。

アスリートの肩こりにおすすめのストレッチ2:胸のストレッチ

肩こりで見逃されがちなのが大胸筋のかたさです。胸の柔軟性があると、巻き肩の予防や腕を上げる動作の改善につながります。定期的に行うことをおすすめします。

1. 両手を後ろで組んでスタートポジション

足を肩幅に開いて立ち、両手を後ろで組みます。腰をそらさず、まっすぐ立ちましょう。

 

2. 腕を斜め下に向かって引き、胸を張る

組んだ腕を斜め下へ引きながら、胸を開きます。前かがみにならないよう注意しましょう。

アスリートの肩こりにおすすめのストレッチ3:背中~肩甲骨のストレッチ

肩甲骨を意識して動かすストレッチです。両手を「W」の形にしてから腕を斜め前方に伸ばすことで、背中と肩甲骨周囲をしっかりと動かします。姿勢改善にもつながります。「胸のストレッチ」とセットで行うことをおすすめします。

1. 胸を張り、両手を「W」の形になるように曲げる

肩甲骨を寄せて、胸をしっかりと張ります。
※肩甲骨を寄せると肩がすくみやすくなるので注意が必要です。

 

2. 開いた腕を上方へ伸ばしてストレッチ

腕をゆっくり斜め上へ伸ばして背中をストレッチ。10〜15回繰り返し、戻す時は再び胸を張りましょう。

アスリートの肩こりにおすすめのストレッチ4:首の後ろのストレッチ

首と肩はつながっており、首のハリは肩こりに直結します。ストレッチ4から、ストレッチ5・6へと順番に行うのがおすすめです。

1. 手を頭の後ろで組んでスタートポジション

足を肩幅に開いて立ち、両手を頭の後ろで組みます。肘は肩と平行にして正面を向きます。

 

2. 手で頭を前に倒して首の後ろを伸ばす

両手で頭を包み込むように前に倒し、首の後ろ側に伸びを感じたところで止めます。腰が折れたり、背中が丸くならないように注意しましょう。

アスリートの肩こりにおすすめのストレッチ5:首の前のストレッチ

アゴを上げて首の前を伸ばします。首の前側にある胸鎖乳突筋(きょうさにゅうとつきん)は胸骨、鎖骨から頭蓋骨の横側にかけての筋肉で、顔を前に倒す動作や左右にひねる動作を行っています。気持ちが良い程度までアゴを上げるストレッチです。

1. 顔の前で拝むような姿勢で全身リラックス

アゴを引き、足を肩幅に開いて立ち、両手を合わせて親指をアゴの下に添えます。

 

2. 後ろを覗き込むように首を反らせる

親指でアゴを軽く引き上げながら、首を後ろに倒します。上体や腰を反らさず、首だけを動かしましょう。

アスリートの肩こりにおすすめのストレッチ6:首の付け根のストレッチ

頭を横に倒して僧帽筋(そうぼうきん)の上部をゆるめるストレッチです。反対側の腕を腰の後ろに回すことで、首の横〜肩にかけてしっかり伸びを感じられます。

1. 片手は頭、もう一方の手は腰に回す

リラックスして立ち、伸ばしたい側の腕を腰に回し、反対の手で側頭部に手を添えます。

 

2. 頭を倒して首と肩をストレッチ

ゆっくりと頭を真横に倒します。首の横や肩がストレッチされるのを感じたらキープします。
頭を倒す時は、カラダが傾くとストレッチされないので、頭だけ倒すようにしましょう。

アスリートの肩こりにおすすめのストレッチ7:前腕・手首のストレッチ

肩こりの原因として見逃されがちなのが、「前腕(ひじから先)」や「手首」の硬さです。特にボールを握る、ラケットを振る、バーを握るといった動作が多いアスリートは、手首〜前腕の緊張が肩にまで影響することがあります。

1. 四つん這いの姿勢になり、指先が手前を向くように手をつく

手のひら全体が床につくようにします。

 

2. そのままの姿勢で、カラダを後方に引く

その姿勢のまま、手は動かさずに上体だけを後方へ引いていきます。手のひらが床から浮かないように意識し、前腕の内側に伸びを感じたところで止めてキープします。痛みを感じない範囲で行いましょう。

肩こりは「痛み」や「違和感」といった形で、気づかぬうちにパフォーマンスにブレーキをかけてしまいます。とくに肩甲骨・胸・首まわりの柔軟性は、競技力を支える土台です。
今回ご紹介した7つのストレッチは、すべて短時間でできるものばかり。習慣化することで肩まわりの可動域が広がり、動きの質が向上するはずです。「肩こり気味かも…」と感じたら、まずはできるストレッチから始めてみましょう。

記事監修・トレーナー

遠山 健太さん
ワシントン州立大学教育学部小等学科卒業。順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科修了。株式会社ウィンゲート代表取締役。全日本モーグルチームのトレーナーとして、トップアスリートのトレーニング指導に携わってきた一方で、子どもの運動教室「ウィンゲートキッズ」のプログラムを開発するなど、子どもの体力向上についての研究も行っている。家族体力測定イベント「マイスポ」で第11回健康寿命をのばそう!アワード(生活習慣病予防分野)の企業部門において、スポーツ庁長官優秀賞を受賞。著書に、『るるぶKids こどもの運動能力がぐんぐん伸びる公園 東京版』(JTBパブリッシング)、『コツがつかめる! 体育ずかん』(ほるぷ出版)などがある。