テニスのパフォーマンスアップにおすすめのストレッチ|肩や股関節の柔軟性向上でプレーの質を上げる

テニスのパフォーマンス向上には、特に肩まわりや肩甲骨の柔軟性を高め、スムーズな動きを可能にすることが大切です。肩関節の可動域が広がるとサーブやボレーなどのショット精度も上がり、ケガの予防にもつながります。また、股関節や体幹、足首周辺をほぐすことで、俊敏なフットワークをサポートできます。今回は、こうしたテニスに特化したストレッチを厳選しました。日常的に取り入れ、質の高いプレーを目指しましょう。
テニスにおすすめのストレッチ1:テニスボールを活用した足裏ほぐしマッサージ
硬くなった足裏を手軽にほぐす方法として定番のメニューです。テニスボールを使えば、程よい弾力があり刺激も絶妙です。
足裏でテニスボールを転がして刺激
テニスボールを足の下に置き、体重を軽くかけながら転がします。指の付け根、土踏まず、足の外側やかかとを意識的にほぐしましょう。椅子に座った状態でも手軽に実施可能なので、デスクワーク中の休憩時にもおすすめです。

テニスにおすすめのストレッチ2:ハグストレッチ
猫背がクセになっている場合や、あまり肩をまわさないと肩甲骨周辺の筋肉が固くなり、可動域が狭くなります。このストレッチでは両腕を横、斜めに広げた後に自分を抱きしめるような動作を、それぞれ5回ずつ行います。肩関節を柔軟にするとともに、胸と背中の両方を刺激できます。抱きしめ動作の際には背中を伸ばすようにしましょう。
1. 両腕を大きく開いてから抱きしめ動作
2. 腕を斜めに上げてからの抱きしめ動作
3. 逆側に腕を広げてからの抱きしめ動作

テニスにおすすめのストレッチ3:フロアタッチ
立った状態から身体をひねって前屈させ、手を逆側の足の外側の床にタッチすることを繰り返します。股関節と膝を曲げたまま行い、確実にタッチしてできるだけ早いスピードで繰り返します。
手で反対の足の外側の床にタッチ
股関節と膝を曲げたまま両足を広げて立ち、上体をひねりながら手を逆の足の外側にタッチ。手を交互に素早く、足の外側の床に確実にタッチします。一連の動きを10~15回繰り返します。
手を交互に動かす際に、上体を起こす必要はありません。股関節と膝は曲げたまま行いましょう。動作中、つま先はやや外側を向け、膝はつま先と同じ方向に向けるように意識してください。
なお、身体の柔らかい人はより外側をタッチするようにチャレンジしてみましょう。

テニスにおすすめのストレッチ4:フロントランジ&ニーハグ
下半身を鍛えるランジと体幹に効くニーハグを融合したストレッチです。バランスを崩さないよう、常に姿勢を意識しながら行いましょう。
1. リラックスして立つ
まずは足を腰幅ほどに開き、全身の余分な力を抜いて正面を向きます。
2. 腰を落として一歩前に踏み出す
片足を前に踏み込み、股関節とヒザをゆっくり曲げて腰を沈めます。
3. 後ろの足を振り上げてヒザを抱える
踏み出した後、後ろの脚を前方へ引き上げて両手でヒザをしっかり抱えます。このとき、背筋をまっすぐ伸ばし、骨盤を安定させ、身体がぐらつかないように意識しましょう。1~3を左右各10~15回ずつ繰り返します。

※片足立ちの際に不安定になる人は中殿筋が弱いかもしれませんので、合わせて中殿筋のエクササイズを実施してみましょう。
中殿筋のストレッチは下記記事内のストレッチ2で紹介しています。
ゴルフクラブを使ったストレッチ|ラウンド前の柔軟性向上、ウォーミングアップに
テニスにおすすめのストレッチ5:タオルストレッチ
肩甲骨周りの筋肉をほぐし、肩関節の可動域を広げるシンプルなエクササイズです。
1. タオルを肩幅より広めに持ち、腕を頭上へ伸ばす
2. 肩甲骨を意識しながらタオルを頭の後ろへ下げる
頭の後ろへとゆっくりタオルを下ろし、肩甲骨を中央へ寄せるイメージで動かします。この動きを1セット10回、合計3セットを目安に行いましょう。

※肩周りがかたい人はタオルを頭の後ろに下ろせないかもしれません。その場合は顔の前へ下ろし、鎖骨の前あたりでとめ、開始姿勢にもどします。
記事監修・トレーナー

- 遠山 健太さん
- ワシントン州立大学教育学部小等学科卒業。順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科修了。株式会社ウィンゲート代表取締役。全日本モーグルチームのトレーナーとして、トップアスリートのトレーニング指導に携わってきた一方で、子どもの運動教室「ウィンゲートキッズ」のプログラムを開発するなど、子どもの体力向上についての研究も行っている。家族体力測定イベント「マイスポ」で第11回健康寿命をのばそう!アワード(生活習慣病予防分野)の企業部門において、スポーツ庁長官優秀賞を受賞。著書に、『るるぶKids こどもの運動能力がぐんぐん伸びる公園 東京版』(JTBパブリッシング)、『コツがつかめる! 体育ずかん』(ほるぷ出版)などがある。