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ZAMST Online

立ち仕事における足の痛みとスポーツインソール

スポーツ専門店では、普段スポーツに関わっていなくても、立ち仕事の方がスポーツインソールをお求めになるケースが特に多いそうです。ザムスト公式オンラインショップでも、スポーツインソールを購入された方のうち、15%程度は『非スポーツ・日常生活』でインソールを利用されているようです。そこでこの記事では、立ち仕事とインソールについて考えてみました。

立ち仕事の人に起きやすい足の痛み

先に紹介したスポーツ専門店には、看護師、介護士、販売員、自衛隊員、警察関係者、工場勤務者など、立ち仕事をする人たちがインソールを求めて訪れることが多いそうです。長時間立ち続ける仕事は、身体に様々な不調を引き起こすことがありますが、特に以下の2つの問題がよく見られます。

足底腱膜炎(足底筋膜炎)

以前、このジャーナルでも紹介しましたが、足底腱膜炎は、主にランニングやジャンプ動作を繰り返すことなどで足底への負担が大きくなり、腱の変性や炎症が起こってしまうことで発生する損傷で、特にかかと近辺に痛みを感じます。ランナーなどスポーツと関連した怪我として知られていますが、長時間の立ち仕事なども要因の一つになることが知られています。

ふくらはぎのむくみや筋肉疲労

ふくらはぎは筋肉がポンプのように収縮することで、血液を心臓に送り返す手助けをします。脚の静脈には、内側に弁がついていて重力による逆流を防ぐようになっていますが、筋肉の収縮がこれを助け、血液が滞るのを防いでいるのです。しかし、疲れたり同じ姿勢でいたりすると、この機能が低下します。血液が心臓に戻りにくくなり(脚に血液がたまりやすくなり)、脚がむくみ、だるくなることにつながるのです。

立ち仕事の人に起きやすい足の痛みのリスクを高める要因

足の痛みの原因は一つではなく、様々な要因が組み合わさって起こると考えられています。

 

使いすぎ(オーバーユース):仕事で長時間立っていることや、足にストレスがかかることで、スポーツと同様に使いすぎが発生している可能性があります。足底腱膜炎の場合は、これらの反復的な負担により足底腱膜に微小な傷が発生することで痛みが発生します。

 

不適切な履物や床の硬さ:クッション性が欠けている靴などにより、足への負担が増え、それが痛みにつながることがあります。また硬い床面なども疲労や痛みを引き起こす可能性があります。

 

過体重や加齢:肥満や加齢も足の痛みの要因の一つとみなされています。

 

足アーチ崩れによる足の変形足アーチが過剰に低すぎる(扁平足)、あるいは逆に高すぎる(凹足)といった変形が見られると、痛みや疲労に悩まされやすくなります。

 

足部アライメントの崩れ足部アライメントとは下腿・くるぶし・足の位置関係のことをいいます。直立して体重をかけた時に下腿と足底部を縦線で結ぶと、まっすぐになるのがニュートラルな状態です。体全体を支える土台である足部アライメントが崩れると、足首、すね、膝、さらには背中や首まで連なる全体のバランスに影響を及ぼすと言われています。立ち仕事の場合は、足部アライメントが崩れた状態を持続してしまうため、様々な痛みに転じてしまう可能性があります。

足の痛みを和らげるヒント

ストレッチ:足底腱膜炎は、足やふくらはぎの筋肉が硬くなると悪化します。この症状に伴う痛みを和らげるためには、ふくらはぎと足裏のストレッチが良いとされています。ふくらはぎのストレッチはふくらはぎのむくみや筋肉疲労にもおすすめです。

ふくらはぎのストレッチ:  
  1. 壁に向かって立ち、手のひらを壁にあてます。
  2. 患部の脚をまっすぐ後ろに伸ばし、かかとは平らにし、つま先はわずかに内側に向けます。
  3. 両かかとを床に平らに保ち、腰を壁にむかって前に押します。
  4. このストレッチを30秒間保持し、その後30秒間リラックスします。これを10回ずつ2セット程度繰り返します。
 

※)それぞれの足の状態に合った最も効果的なエクササイズについては、医師または理学療法士に相談してください。

足裏・足趾のストレッチ:足裏・足趾のストレッチについては下記の動画をご覧ください

足を高い位置に置く:ふくらはぎや足にむくみや腫れがある場合は、横になった状態で足を枕の上に置き、心臓よりも高い位置に上げます。

 

適切なシューズやインソール・足底装具などの活用:サポート力のない靴やすり減った靴は避けましょう。古いシューズがすり減って足をサポートできなくなる前に、交換することが望ましいでしょう。
またクッション性のある靴やインソールは、足裏へのストレスを軽減することが期待できます。

立ち仕事とスポーツインソール

それではなぜ、立ち仕事の人に高機能なスポーツインソールが選ばれることが多いのか、ここであらためて整理してみましょう。

 

  1. シューズの機能を補完するため:「足の痛みを和らげるヒント」の一つとして適切なシューズを選ぶことを挙げましたが、多くのシューズは着地時の衝撃を吸収する機能が必ずしも十分ではありません。例えば立ち仕事で使用するナースシューズや工場向けの作業靴も衛生面や安全面での工夫が施されていますが、足裏への衝撃を吸収する機能や、足アーチをサポートする機能については不十分なことが多いのではないでしょうか。高機能なスポーツインソールは靴を替えなくても、サポート力を得ることができます。
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  3. 疲れた足裏を支えるため:前述の「足の痛みのリスクを高める要因」として、足アーチ崩れによる足の変形がありました。スポーツインソールには、足アーチ本来の働き(体重の分散や衝撃の吸収、体重移動を円滑にする働き)をサポートする機能があります。立ち仕事で足が疲れると、足アーチの機能が低下することがありますが、スポーツインソールはこれを補い、足底への衝撃を和らげる効果が期待できます。
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  5. 立ち仕事中にかかとを安定させるため:「足部アライメント」にはかかとが重要な役割を担います。かかとが外側や内側に過剰に倒れたりすると、腰など身体のどこかをかばい、バランスをとるようになるため、筋肉の緊張や関節への負担を招く可能性が高くなります。機能性インソール、中でもスポーツインソールは、激しい競技中でもかかとをしっかりホールドするように設計されているので、長時間の立ち仕事でもかかとをしっかり安定させることが期待できます。

参考文献

  • 『Sports Medicine Library』ZAMST
  • 『INSOLE GUIDEBOOK』ZAMST

記事監修・ドクター紹介

毛利 晃大先生
毛利 晃大先生
順天堂大学医学部卒業、日本救急医学会専門医、日本整形外科学会会員 日本医師会認定スポーツ医、日本バスケットボール協会スポーツ医学委員会所属ドクター

足の痛みについてより深く学びたい方へ

各痛みに関するドクターによる症状解説、トレーナーによる対処法解説がアーカイブ化されています。
※インソールの使用によりこれらの症状に効果があるわけではありません。