オンラインジャーナル
スポーツによる慢性的な腰の痛み
スポーツによる慢性的な腰の痛み
長年トップアスリートのトレーニング指導に携わってきた遠山健太さんに、趣味でスポーツを楽しむ人や市民アスリートのみなさんにも是非知ってほしい『サポーターの使い方』についてアドバイスをしてもらいました。今回は、スポーツを楽しむ時に、負担がかかりやすく、ケガや痛みの発生率が高い部位、腰のサポーターについてうかがいます。
スポーツを楽しむ人の4人にひとりは慢性的な痛みに悩まされている!?
全国のスポーツを楽しむ人(1回あたり30分以上の運動を3カ月に1回以上行っている方)約4万人にアンケートを実施したところ、慢性的な関節や筋肉の痛みに悩まされている人は27.1%でした。 そして、そのうち55.1%が腰の痛みだったのです。実は、この傾向は競技レベルにかかわらず大きな差はありません。つまり、数カ月に1日程度運動している人も、週に3日程度行っている人も同じように悩みを抱えていたのです。
腰の不安を取り除くには、「体幹」から考えよう
調査の結果をみてどう思われましたか?
遠山:あらためて、腰の不安を抱えたままスポーツを行っている人が多いことがわかりました。腰のことを考えるのであれば、まず「体幹」について理解を深めるといいかもしれません。「体幹」という言葉は感覚的に使われてしまうケースが多いのですが、簡単にいうと四肢を除いた胴体の部分のことです。脊柱(背骨)がきれいな逆Sの字のようなカーブを描いている状態が生活をする上でも、スポーツをする上でも良い姿勢であり、この姿勢を保つことに寄与しているのが体幹(胴体の部分)なのです。
このきれいなカーブを保つには、いわゆる腹筋や背筋だけではなく、深層部にある筋肉群の働きが重要です。最近、流行っている腹圧(腹腔内圧)を高めるトレーニングは、この姿勢を保つためのアプローチの一つです。
腰用サポーターが寄与するのもそこですね。
遠山:運動中は腰用サポーターを巻くことで安定した姿勢を保持することができ、ケガの予防対策になるでしょう。もう一つの恩恵は、安定した姿勢を維持することにより、運動中のパフォーマンスを上げることにもつながる可能性もあるということです。ただし、常時腰用サポーターをしていることが良いわけではありません。腰用サポーターを補助的に活用しつつ、普段から「体幹」トレーニングを意識的に実施することがケガの防止にも、パフォーマンス向上にも大切だと思います。
登山やトレッキングにも
さて、腰用サポーターはさまざまなスポーツの場面で使われています。わかりやすいところでは、フォアストローク、バックハンドストローク、サービスなど腰に負担のかかる動きが多いテニスをはじめ、回旋などの動きが多いダンスなどがあげられるでしょう。また同様に回旋を伴うゴルフにもおすすめです。例えばゴルフの場合、腰の不安を抱えたままプレーをすることは、痛みが増長する可能性がある、腰をカバーしようとして他の部位を痛めるリスクが高まる、フォームのくずれにつながるなど、いいことはありません。体幹のスポーツとも言われるゴルフでは、サポーターの力を借りて着用時に腰部を安定させることで、負担を軽減し、安定した姿勢を保持することが大切なのです。また、同時に回旋に必要な胸椎(背骨)と股関の柔軟性を確保することでスムーズなスイングにつながるでしょう。
一方で、回旋などの動きとは異なるものの、重い荷物を背負う登山やトレッキングに使用されるケースも増えています。腰用サポーター着用時は、骨盤まわりや腹腔圧上昇による腰全体の安定をサポートできるため、年齢や運動不足による腰への負担を軽減することが期待できます。
トレーナー:遠山 健太さん
ワシントン州立大学教育学部卒業。順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科修了。株式会社ウィンゲート代表取締役。全日本モーグルチームのトレーナーとして、トップアスリートのトレーニング指導に携わってきた一方で、子どもの運動教室「ウィンゲートキッズ」のプログラムを開発するなど、子どもの体力向上についての研究も行っている。家族体力測定イベント「マイスポ」で第11回健康寿命をのばそう!アワード(生活習慣病予防分野)の企業部門において、スポーツ庁長官優秀賞を受賞。著書に、『るるぶKids こどもの運動能力がぐんぐん伸びる公園 東京版』(JTBパブリッシング)、『コツがつかめる! 体育ずかん』(ほるぷ出版)などがある。
Top athlete
関連商品を利用しているトップアスリート
綿貫 陽介
テニス
- 所属
- フリー
- 生年月日
- 1998年4月12日
- 出身地
- 埼玉県春日部市
- 主な経歴
-
- 2010年:全日本ジュニアU12 準優勝
- 2016年:全豪オープンJr ベスト8。
- 2016年:プロ転向
- 世界ジュニアランキング 最高位:2位(2016年3月21日付)
- コメント
- 僕が普段使用しているZW-5は長時間のプレー中、前後左右への動きや捻り戻しが多い中で、腰への負担を最小限に減らしてくれていると感じています。蒸れにくく、ずれにくいので、プレーをしていて気になる事もありません。プレー後や次の日の痛みや筋肉の疲労度がZW-5をつけている時とそうでない時では大きな違いがあり、とても助けられています。痛みの軽減や予防になっていて連戦が続いても腰の痛みでプレーが出来ないというのがなくなり、僕のツアーの必需品の1つです。