オンラインジャーナル
長距離ランナーとスリーブ|帝京大学 駅伝競走部インタビュー

長距離ランナーとスリーブ|帝京大学 駅伝競走部インタビュー

筋肉疲労を和らげるためにさまざまなコンプレッションウェア(ギア)が開発されるようになってきています。コンプレッションスリーブもその一つです。トップアスリートの実際の活用シーンを探るため、第100回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝 2024)の出場権を獲得した帝京大学駅伝競走部のお二人に話を伺いました。
筋肉疲労とコンプレッションスリーブ
第99回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝 2023)10区でアンカーを任された日高拓夢選手(4年)にお聞きします。スリーブを使用したきっかけを教えてください。
日高選手:実は高校まで使ったことがなく、大学で初めて使うようになりました。最初こそ少し違和感がありましたが、自分は割りとふくらはぎに負担がかかる走り方なので、スリーブを装着することでふくらはぎの揺れが軽減されるのを実感しました。

パフォーマンスにも影響はありましたか?
日高選手:ポイント練習※ではじめて装着してラストスパートをかけた際に、いつもよりも疲労が残らず自然とスピードもあげられた感覚があったので、試合でも使ってみようという気持ちになりました。結果、2022年10月の1万メートルの試合で自己ベストを更新し、箱根駅伝出場に結びつけることができたと思います。
※ポイント練習とは:ポイント練習は、レース前の高速なペース走や高強度のトレーニングなどを含む総称であり、心肺機能や筋力を向上させる目的で行われます。このようなトレーニングは、走力を向上させるために周期的に実施されます。

つけ始めの違和感はどのくらいでとれましたか?
日高選手:実は1カ月くらいは違和感がありました。でも疲労がたまらなかったという感覚があったので、違和感よりも疲労がない状態で練習をしたい気持ちを優先して継続して使ってみました。
圧迫(コンプレッション)することで筋肉疲労は和らぐの?
筋肉疲労のほとんどは運動による筋肉の収縮によってもたらされます。そして、疲労は走るという運動とは直接関係ないところでも蓄積していきます。筋肉は走ったり、衝撃を受けたりすることで振動します。人の身体は無意識のうちにこの無駄な振動(揺れ)をコントロールし、抑えようとする力が働きます。こうした余計な筋肉の動きが長時間の運動の中で蓄積され、やがてスタミナロスやパフォーマンスの低下につながると考えられています。
また長距離走では腕が振れなくなることもあります。これは着地時の衝撃が腕にも伝わるためで、足と同様に無駄な筋肉振動が発生します。 このような振動は外部から適度に圧迫(コンプレッション)することで抑えることが期待されています。 多くのカーフスリーブやアームスリーブはこのような考えから開発されています。

寒さ対策としてのコンプレッションスリーブ
次に1万メートルで28分台を記録し、箱根駅伝 2023では3区を走った小林大晟選手(3年)にスリーブを使いはじめたきっかけをお聞きします。
小林選手:10月の試合で初めて使いましたが、そのときは疲労対策というよりも寒さ対策として装着しました。自分はふくらはぎが張りやすい走り方なのですが、スリーブによる疲労軽減も実感できたので、そのまま箱根前の合宿や大事な練習でも使うようにし、箱根駅伝当日も寒さ対策と疲労対策のため、スリーブを装着して臨みました。
駅伝での疲労対策というのは、やはりふくらはぎの疲労対策ですか?
小林選手:そうです。駅伝は硬いアスファルトのロードを走ることで、トラックを走るよりもふくらはぎの負担が大きいと感じています。自分は大学に入ってから疲労骨折を複数回経験していて、走り方にも原因がありますが、ふくらはぎの張りによる疲労にも対策するようにしています。スリーブも対策の一つですね。

寒さも、走りの質やコンディションに影響を与えるのでしょうか?
小林選手:そう思いますし、むしろ結構大事なポイントだと思っています。暑すぎても寒すぎても対策をしないと記録に影響が出ます。暑いより寒い方が記録は出やすいのですが、寒いと筋肉が張りやすくなります。先程話したように、ふくらはぎが張ることで、疲労が蓄積すると記録にも影響しますし、なによりも大きな怪我につながるリスクもあるので、慎重に対策すべきだと思います。
スリーブで寒さ・暑さ対策になるの?
ザムストのコンプレッションスリーブの場合は、HeiQ「SMART TEMP」という生地を採用し、皮膚温に反応して汗を乾かす量を調整することで体温をコントロールします。暑いときには効率的に汗を蒸散して体温を下げ、寒いときには生地が汗を保持することで気化熱による体温低下を抑えます。

2023年9月にこのインタビューが行われた直後、第100回東京箱根間往復大学駅伝競走(箱根駅伝 2024)の予選会で、帝京大学は素晴らしい成績で17年連続、25回目の出場を確定しました。前回の大会でシード落ちした悔しさを晴らす活躍を本大会でも期待しましょう。
参考文献
- 『対策HANDBOOK 効果的な疲労対策』ZAMST
テニスとサポーター|トップアスリートインタビュー 日比野菜緒選手

テニスとサポーター|トップアスリートインタビュー 日比野菜緒選手

アスリートが使用するサポーターは競技ごとに特徴があります。例えば体の接触が多いバスケットボールやサッカー、ラグビー等の種目では、衝撃から体を守るという点も重視されます。一方テニスの場合は、ぶつかり合うリスクはほとんどないものの、筋肉疲労やオーバーユースによる怪我の予防という側面が強くなります。また、選手によってサポーターの選び方や使用法も異なります。今回はオリンピックに日本代表として2大会出場し、女子の世界ランキングで日本人トップ(2023年11月取材時点)のテニスプレイヤー日比野菜緒選手の考えるサポーターのメリットについてヒアリングを行いました。サポーター選びの参考にご覧ください。
テニスプレイヤーの選ぶサポーターとは
サポーターを使用しはじめたきっかけを教えてください
左足首で三角骨障害(足関節後方インピンジメント症候群)を経験した時、初めてサポーターを試しました。靴ひものように締めるタイプのサポーターなど、様々な種類を試した後、マジックテープで手軽に固定できるA1を選びました。装着が簡単で、すぐに足にフィットし、しっかりとした固定感が得られるため、足首用のサポーターとしてはA1を選んでいます。

どういう時に足首サポーターをつけていますか
通常は、怪我をした後の回復期間中に、再発を防ぐためにサポーターを使用しています。選手によっては、怪我を経験したことで、サポーターなしでのプレーに不安を感じ、治癒後も予防目的でサポーターを継続して使うことがあります。私の場合は、プレーに集中するためには身につけるものが少ないほうが良いと考えており、完全に回復したと判断したらサポーターを外しています。
アームスリーブについては疲労軽減目的で使用されていますか
私はアームスリーブが大好きなんです(笑)。アームスリーブ本来の目的から少しそれるかもしれませんが、私は疲労軽減というよりは、日焼け防止やUVカットのために使っています。日焼け対策としてアームスリーブを利用する女性は意外と多いのではないでしょうか。一方で、最近の試合では会場が寒かったので、寒さから守るのにも役立ちました。また、程よい締め付け感があり、プレーのしやすさを感じています。

日比野選手が、暑さ・寒さ対策にアームスリーブを重宝しているのには、理由があります。アームスリーブの生地(HEIQ SMART TEMP)は皮膚温に反応して汗を乾かす量を調整することで体温をコントロールしています。 暑いときには効率的に汗を蒸散して体温を下げ、寒いときには生地が汗を保持することで気化熱による体温低下を抑えます。
ランニングにアームスリーブ・カーフスリーブがおすすめな理由

FILMISTA WRISTの使用目的を教えてください
以前は、サポーターは怪我をした後にのみ使用するものと考えていましたが、現在は怪我の予防として非常に重要だと理解しています。テニスは手首に大きな負担がかかるスポーツなので、特に手首の怪我を予防するために、今シーズンは冬の時期にFILMISTA WRISTの使用を検討しています。
日比野選手がテーピングではなくサポーターを好んで使用されているのはなぜですか
以前、骨挫傷により手首を痛めた際にテーピングを利用したことはありますが、自由度が低く、プレーに影響があったように感じました。FILMISTA WRISTのようなタイプのサポーターは、テーピングより軽量でありながら、必要なサポートが実現できている点が良いですね。さらに、手首のテーピングは一方の手だけで巻くのが難しいですが、FILMISTA WRISTなら一人でも簡単に装着できます。
もう一つ理由があって、テニスプレイヤーとしてというよりは、私の価値観に関係するのですが、サポーターのほうが環境に優しいと思っています。テーピングだとやはり使用の度にゴミが出てしまいますよね。だから、サポーターで代用できる人は積極的にサポーターを使用することをおすすめしたいです。長い目で見るとお財布にも優しいですよね。
Top athlete
関連商品を利用しているトップアスリート

日比野菜緒
テニス
- 所属
- 株式会社ブラス
- 生年月日
- 1994年11月28日
- 出身地
- 愛知県一宮市
- 主な経歴
- 2013年:プロ転向
- 2015年:タシケント・オープンでプロ転向後初となるWTAツアー優勝
- 2016年:リオデジャネイロオリンピック日本代表としてシングルス出場。ASBクラシック ベスト8
- 2019年:花キューピット ジャパンウイメンズオープンテニスチャンピオンシップス シングルス・ダブルス同時優勝
- 2021年:東京オリンピック日本代表としてシングルス・ダブルス出場
- 2023年:プラハ・オープンでシングルス・ダブルス同時優勝
テニスとインソール|トップアスリートインタビュー 日比野菜緒選手

テニスとインソール|トップアスリートインタビュー 日比野菜緒選手

テニスは代表的な生涯スポーツとして知られており、健康増進への期待が大きい種目の一つです。一方で「足ニス」と言われるほどフットワークが重要なため、足首捻挫などの怪我に悩まされることも少なくありません。足の負担軽減のためにトップアスリートはインソールをどのように活用しているのかを探るため、今回はオリンピックに日本代表として2大会出場し、女子の世界ランキングで日本人トップ(2023年11月取材時点)のテニスプレイヤーの日比野菜緒選手にお話を聞きました。
テニスと怪我
テニスで起きやすい怪我について教えてください
私自身の経験としては足回りの怪我が多かったですね。大きなところでは、左足首の三角骨障害(足関節後方インピンジメント症候群)があります。また数年前の試合中に足首捻挫を経験しています。
他の選手の状況を見ると、やはり手首の怪我はよく聞きます。突発的な怪我では足首捻挫が目立ちますね。また、長期間にわたる怪我では、選手生命に影響を及ぼす可能性のある腰の怪我が怖いですね。
怪我のリスクを小さくするために、ウォーミングアップやストレッチはどの程度実施していますか
若い時はストレッチにそこまで注意を払っていませんでしたが、年齢が上がるにつれて、身体のメンテナンスの重要性がよくわかるようになりました。例えば、練習前には約1時間、慎重に身体を動かすようにしています。練習が終わった後は、会場で軽くストレッチをし、部屋に戻ってからはさらにストレッチをし、身体をほぐし、マッサージガンを使ったセルフマッサージを行っています。疲れを感じた時は、アイスバスに入ることも好んでいます。
さらに、ツアーで世界を回る中で体調を崩すこともあるため、サプリメントを使ってビタミンを摂るなど、細かいケアにも気を配るようになりました。

トレーニングやサプリ等の情報はどこから入手していますか
今は主にトレーナーさんから情報をもらっていますが、セルフケアに関しては自分自身で考え、実施していくことも重要だと考えています。
特に若手の時期は、コーチやフィジカルトレーナー、ケア専門のトレーナーを全て揃えることは難しいです。海外でのトレーニングや試合では、国内とは異なり、常に相談できる相手がいるわけではなく、必要な情報や環境が整っているとは限りません。そのため、自分で考え、対応する能力が求められます。
テニスとインソール
使用しているインソールについて教えてください
カスタムバランスを、練習時にも試合時にも使用しています。足とインソール、シューズがぴったりと一体になっている感覚があり、とても安心感があります。私は他のインソールをほとんど試した経験がないので、直接的な比較は難しいですが、インソールを使ってみていただくと、ショットを打つ時の踏ん張りなどにその恩恵を感じるのではないでしょうか。 左右に振られても流れることなくしっかりと切り返せる感覚が得られるかもしれません。
インソールによる足への負担軽減は実感していますか
足の特定部位への負担軽減という側面では、私はインソールをずっと使用したままになっているので効果を明確にお伝えすることはできないのですが、ここ数年、大きな怪我がないという意味で、私はつけていたほうが安心してプレーに集中できます。
プレーするコートの種類によっても影響は異なりますか
クレーコートは滑りやすいため、捻挫のリスクが高まると思われます。芝のコートは、場所やその日のコンディションによって性質が異なるので予想しない怪我のリスクがあります。私の場合、自分に合ったインソール、合ったシューズの組み合わせを実現できたことにより、異なるサーフェスでも違和感なくプレーできています。
パフォーマンスへの影響を感じることはありますか
ずっと装着しているので、良い意味でインソールを入れた状態に慣れてしまっている分、明確にお伝えするのは難しいのですが、テニスでの経験に基づいて言うと、「切り返した時にバランスが崩れない足元をつくる」という点がメリットの一つかと感じています。
テニスにおすすめのインソール3選
日比野選手が使用しているカスタムバランスの他に、フットクラフトスタンダードやフットクラフトアジリティグリップがおすすめです。

カスタムバランス
カスタムバランスは一人ひとりの足の形を専用機器で分析し、足の強さを引き出す「ウィンドラスメカニズム」を用いて成形します。日比野選手をはじめ、多くのトップアスリートが採用しています。

フットクラフトスタンダード
レディメイドでありながら、オーダーメイドのカスタムバランスと遜色のないアーチ引き上げ効果を実現したのがフットクラフトです。3つのアーチタイプ(LOW・MIDDLE・HIGH)から選ぶことができ、ご自身に適したアーチタイプを選ぶことでオーダーメイドのようなフィット性を与え、理想的な足のバランスに導きます。

フットクラフトアジリティグリップ
フットクラフトスタンダードの機能はそのままに、優れたグリップ性能のトップコートにより、よりスムーズなターンや切り返しへと導きます。特にバスケットボールやテニス、バドミントンなど切り返しの激しいスポーツにおすすめです。
参考文献
- Spring KE, Holmes ME, Smith JW. Long-term Tennis Participation and Health Outcomes: An Investigation of "Lifetime" Activities. Int J Exerc Sci. 2020 Sep
- 『INSOLE GUIDEBOOK』ZAMST
Top athlete
関連商品を利用しているトップアスリート

日比野菜緒
テニス
- 所属
- 株式会社ブラス
- 生年月日
- 1994年11月28日
- 出身地
- 愛知県一宮市
- 主な経歴
- 2013年:プロ転向
- 2015年:タシケント・オープンでプロ転向後初となるWTAツアー優勝
- 2016年:リオデジャネイロオリンピック日本代表としてシングルス出場。ASBクラシック ベスト8
- 2019年:花キューピット ジャパンウイメンズオープンテニスチャンピオンシップス シングルス・ダブルス同時優勝
- 2021年:東京オリンピック日本代表としてシングルス・ダブルス出場
- 2023年:プラハ・オープンでシングルス・ダブルス同時優勝
インソール売れ筋ランキング|スポーツインソール23年上半期5選

インソール売れ筋ランキング|スポーツインソール23年上半期5選

スポーツインソールを選ぶ際には、オーダーメイドかレディメイドか、アーチサポートの有無、クッションの性能など、さまざまな基準があります。また、スポーツの種類によっておすすめも異なり、口コミだけでは選びにくいこともあります。そこで、今回はザムスト公式オンラインショップでの2023年上半期に売れたスポーツインソールのトップ5をご紹介します。選び方に迷った時の一助として、ぜひ参考にしてみてください。
スポーツインソールの選び方早見表
そもそもスポーツインソールとは?
インソールのうち、足裏への衝撃吸収などの機能や、足アーチ(土踏まず)をサポートする機能を有したインソールを「機能性インソール」や「高機能インソール」と呼びます。
「スポーツインソール」は機能性インソールのうち、スポーツでの激しい動きにも追従し、足のサポートやパフォーマンスアップを目的としたインソールのことを指します。
スポーツインソールの選び方は
足の悩みや使用シーン(スポーツ種目)に応じて選びます。選び方の早見表を参考にしてください。フットクラフトには7種類の商品がありますが、スタンダード、アジリティグリップ、フットボールスタイル、スタンダード クッション+の4商品は足アーチサポート機能付きのモデルです。3つのアーチタイプから選べ、足の形状に合わせて足アーチをサポートします。アーチサポート付きの4商品は、30日間の返品・返金保証も付いています。
それ以外のクッションド for SPORTS、クッションド for RUN、クッションド for WALKはクッション機能に特化したシリーズでお求めやすさが人気です。また、ザムスト公式オンラインショップでは取り扱っていませんが、本人の足に合わせて一つひとつ成形するオーダーメイドのカスタムバランスというモデルもあります。

2023年度上半期ベスト5
フットクラフトスタンダード

1位は商品名の通りスタンダードなタイプのフットクラフトスタンダード。ランニングから球技まで、ほとんどのスポーツで快適に使用できるため、迷った場合はまずスタンダードを試すことをおすすめします。足裏はもちろん、ふくらはぎやすねへの負担を軽減します。
特徴
- 3つのアーチタイプから選べる
- ウィンドラスメカニズムに基づく理想のアライメントを実現
- 独自の3層構造で高い安定性としなやかなサポートを両立
- かかともしっかりホールド
ユーザーの声

疲労がたまってくると、足裏のアーチがベタッと下がってきてしまいます。足の形にあったインソールを使うことで、バランスが取れた適正なアーチを保ち続けることができます。装着中は疲労が軽減されやすくなるので、大きなトラブルが起きにくくなると感じています。
30代女性(ランニング)
フットクラフトスタンダード クッション+

2位に選ばれたのは、スタンダードなタイプにさらに衝撃対策を施したクッション+が選ばれました。このクッション+もさまざまなスポーツでご利用いただけますが、特にジャンプによる激しい着地で足を痛める不安のある方が購入されているようです。
特徴
- フットクラフトスタンダードの特徴に加え、着地時の衝撃吸収力を強化。
- 優れた衝撃吸収性を持つ素材を採用し、着地時の前足部、踵の負担を軽減。
ユーザーの声

サポーターを買ったときに、ソールも紹介してもらって、お取り寄せしてもらいました。ソールを入れることによってバランスが取りやすくなり、足への負担も軽くなりました!
10代学生(陸上)
フットクラフトアジリティグリップ

3位にはバスケットボールやバドミントンなど、急な切り返しやターンなどのアジリティ(敏捷性)が求められるプレイヤーに人気のアジリティグリップが入りました。足裏に接するトップコートと呼ばれる層に、グリップ性能に優れた素材を採用することで、地面を力強く捉えることに優れたインソールです。
特徴
- フットクラフトスタンダードの特徴に加え、グリップ性能に優れた素材を採用。
- スムーズなターンや切り返しに導くグリップ性能。
ユーザーの声

バッシュとのフィット感を感じました。インソールを入れる前は、バッシュの中で靴下が滑るような感覚をいつも抱いていました。今はそのイメージがなくなり、バッシュと足との一体感を得られるようになりました。動きやすさを実感しているのでこれからも使おうと思います。
20代男性(バスケットボール)
フットクラフトフットボールスタイル

4位はサッカーに特化して開発されたフットクラフト フットボールスタイルがランクインしました。サッカー特有のタイトなスパイクにもフィットするスリム設計を採用しつつ、ウィンドラスメカニズムを利用して足の剛性(強さ)を高めることで、サッカー特有の足の負担を軽減します。グリップ力にも定評があり、切り返しに自信が持てるようになったという評価も頂いています。
特徴
- サッカースパイク専用設計を実現
- 素早い切り返しに導くグリップ性能
- 踵と前足部に厚みを持たせた着地時の衝撃対策
- 足裏の負担を軽減する3Dアーチサポート
ユーザーの声

スパイク内でのずれが少ないことから、切り返しの動きがしやすいと感じています。ずれるという感覚をなくすために、実はいろいろ試行錯誤をしていました。今は、機能性ソックスとインソールを組み合わせることで、そのずれる感覚が大幅に軽減されました。
20代男性(サッカー)
フットクラフトクッションド for WALK

5位には衝撃対策性能に特化したクッションドシリーズのうち、クッションド for WALKが入りました。このシリーズは衝撃対策をしつつ、軽さと薄さにはこだわりたいという人に最適です。重さは片足(Lサイズ)の場合でも約32g。インソールの交換による違和感が少なく自然な履きごこちです。クッションド for WALKは心地よいクッション性と足あたりによりウォーキングを楽しむ方に選ばれています。
特徴
- 着地時の衝撃から足を守る優れた衝撃吸収素材
- ソフトに足裏を支える3Dアーチ設計
- ヌバック調の生地による優しい足当たり
ユーザーの声

ドラッグストアで購入したインソールと交換しましたが、明らかに足底部の疲れが緩和されました。
30代女性(ウォーカー)
参考文献
- 『INSOLE GUIDEBOOK』ZAMST
Products
この記事で紹介した商品




ザムスト Footcraft FOOTBALL STYLE(インソール)
高機能インソールの機能はそのままに、
サッカープレイヤーに向けた高機能インソール
足の剛性を高め、ブレない軸に導き、グリップ力をもたらす。

野球肘|症状と予防 オーバーユースに起因する肘のスポーツ障害

野球肘|症状と予防 オーバーユースに起因する肘のスポーツ障害

ジュニア期の野球投手によく見られるスポーツ障害の一つが野球肘で、投球過多やオーバーユースが原因となっています。この障害は成長期の骨に影響を及ぼし、肘の痛みだけでなく、将来的な骨の変形という深刻な問題を引き起こすことがあります。このため、甲子園に出場する投手たちは、肘の状態を詳しく調べるメディカルチェックを受けることが必須となっています。バレーボール、テニス、やり投げなどオーバースローの動作を行う選手にも同様のリスクがあります。
野球肘とは
野球肘はその名が示す通り、主に野球における投球動作により引き起こされるスポーツ障害です。特に10歳から16歳の成長期にある投手に多く見られ、オーバーユース(使い過ぎ)が原因となります。この障害は、投球する側の肘の①内側、②外側、③後方(肘頭)に痛みを生じさせることが主な症状です。

野球の投球動作は、ワインドアップ期、コッキング期、加速期、リリース減速期、フォロースルー期の5相に大別され、野球肘は特にコッキング期、加速期、フォロースルー期の動作が影響します。
内側型の野球肘
内側型の野球肘は、投手が足を踏み込んで接地した時からボールが手から放されるまでの動作(コッキング後期~加速期)の繰り返しによって引き起こされます。この動作の間に、肘関節は外反し、肘の内側に牽引力が加わります。この力の影響で、内側側副靱帯などが伸び、損傷を受ける可能性があります。さらに重い症例では、上腕骨内側上顆(じょうわんこつないそくじょうか)が剥離骨折することもあります。小学生に多いのはこの内側型の野球肘です。

外側型の野球肘
外側型の野球肘も同じ動作時(コッキング後期~加速期)の負荷によります。肘の内側が牽引力を受ける一方で、外側には圧迫力が働きます。この力によって上腕骨小頭に負荷がかかり、結果として骨の壊死(えし)、欠損、遊離体などの離断性骨軟骨炎が生じます。
後方型の野球肘
フォロースルー(ボールが手を離れて投球が終わるまでの動作)における負荷が、原因となります。この時、肘関節が過度に伸ばされることで、尺骨肘頭に牽引力が働き、それが繰り返されると剥離や疲労骨折などの問題が発生する可能性があります。
特に外側型の野球肘は注意が必要です。痛みが認識しづらい(発見が遅れやすい)ことに加え、進行によっては手術が必要です。また競技復帰が困難になることも多く、それだけに早期発見が重要です。

野球肘の症状
内側型:肘の内側にはっきりとした圧痛(押さえると痛みを伴う)や腫れ、投球時の肘の痛みが見られます。また、肘の動きが制限される場合もあり、時折、小指側にしびれを感じることがあります。
外側型:肘の外側部分に痛みに加え、ロッキング症状(ロックされたように動かせない状態)が出ることもあります。前述の通り、痛みが少ない傾向にあり、痛みを感じはじめた時には進行しているケースがあるので注意が必要です。
後方型:肘の後ろ側に圧痛があり、投球時に痛みが生じます。また、ロッキング症状を示すことがあります。
野球肘の治療とリコンディショニング
肘に痛みを感じたらどうすればよい?
まず、主原因であるオーバースローのピッチング動作の休止を徹底しましょう。この時、疲労だろうと安易に考えることは禁物です。すぐにスポーツドクターまたは整形外科を受診しましょう。
野球肘の治療とは?
- オーバースローによるピッチング動作を休止し安静にします。
- 骨に変化が見られる場合は、少なくとも3ヶ月以上のスローイング動作を休止する必要があります。
- 骨に変化がある場合には、1年から3年程度の長期にわたるフォローアップ(経過観察)が必要です。
- 肘がロッキングするような遊離骨片がある場合は、その骨片を取り除く手術が必要になることがあります。
予防のために心がけることは?
地域によっては、少年野球選手を対象とした「野球肘検診」が行われています。投球フォームや体のケアに関するアドバイスなどに加え、超音波検査により発見の難しい離断性骨軟骨炎のチェック等が行われます。野球肘検診の機会がある場合には積極的に参加しましょう。
また、痛みを自覚できない場合でも、肘に違和感(伸びにくい、曲がりにくい)がないかは日頃から意識し、不安があればすぐに整形外科の診察を受けましょう。
野球肘のリコンディショニング
ストレッチング:練習前後のストレッチングは、全ての障害を予防するために重要です。肩や肘などを中心に行いましょう。ピッチングが全身運動であるため、股関節や体幹の柔軟性を保つことも大切であり、特に肘関節の場合は前腕屈筋群と伸筋群を重点的にストレッチすることがポイントです。
前腕・手首のストレッチ
アイシング:ピッチング後のアイシングも推奨します。ただし、「痛みを感じたり、投球数が多くなったりしても、アイシングをすれば大丈夫」ということではありません。
投球制限のルールづくり:骨が柔らかい成長期では、投げ過ぎないことが最も効果的な予防法です。ただし「これ以上投げると障害を起こす」、「これ以下であれば安全」という明確な基準がないため、チームで投球数や連投の禁止などのルールを決めておくことを勧めます。
参考文献
- 『Sports Medicine Library』ZAMST
- 『対策HANDBOOK 肩・ヒジ・手首・指の痛み』ZAMST
- 医療情報科学研究所 『病気がみえるvol.11 運動器・整形外科』メディックメディア
記事監修・ドクター紹介

毛利 晃大先生
順天堂大学医学部卒業、日本救急医学会専門医、日本整形外科学会会員
日本医師会認定スポーツ医、日本バスケットボール協会スポーツ医学委員会所属ドクター
土踏まずとは|土踏まずの役割と足裏トレーニング

土踏まずとは|土踏まずの役割と足裏トレーニング

土踏まずとは足の骨が形成しているアーチ状の構造を指します。英語では「Arches of the Foot」と表記するため、足アーチと同義といって良いでしょう。この土踏まずの独特の形状は二足歩行を行う人類独特のもので、他の霊長類では見ることができません。今回は、私達が長距離を走ったり、自在にジャンプしたりするために不可欠な足の構造について整理します。
土踏まずの役割
土踏まずとは?
土踏まずは、2つの縦アーチ(内側縦アーチ、外側縦アーチ)と横アーチの3つがあり、体重を支えて直立姿勢を保ち、移動を円滑にする機能を有します。尚、横アーチを前部と後部に分けて考える場合もあります。

これらのアーチは中足骨と、その後ろにある7つの骨(距骨・踵骨・舟状骨・内側楔状骨・中間楔状骨・外側楔状骨・立方骨)の形状によって形成されており、靭帯と足の外在筋、内在筋に支えられています。 また足底腱膜という筋膜が肥厚してできた膜が、足底を縦に走り、アーチ構造をサポートするとともに、体重移動を円滑にするウィンドラスメカニズム(巻き上げ機構)を成り立たせています。

土踏まずの主な役割とは?
- 凹凸のある地面に足を適応させます。
- 体重を分散します。
- 歩行時、ジャンプ動作時の衝撃を吸収します。
- ウィンドラスメカニズムにより体重移動を円滑にします。
このうち、衝撃を吸収し、地面に適応するために足は柔軟である必要があります。一方、前に推進するためには、剛性が高い必要があります。人類の足は土踏まずを含む独特の形状により、柔軟性と剛性(強さ)の両方を兼ね備えているのです。
内側縦アーチと横アーチ
土踏まずのアーチ構造のうち、体重の分散や衝撃の吸収には内側縦アーチの役割が大きいとされてきました。インソールの機能などを説明する際に使われる「アーチを支える」といった表現は、主に内側縦アーチのことを指します。一方で最近の研究によると足の剛性において、横アーチが重要な役割を担っていることが分かってきました。
この足の剛性については、紙幣やトランプをトンネルのように曲げると理解しやすくなります。中央部を指で押すと弾性や硬さが生まれていることが分かるでしょう。この3つのアーチの形状と足底腱膜のはたらきにより、着地時に衝撃を吸収するとともに、そのエネルギーを歩行時の推進力としてバネのように機能させることが出来るようになっています。

土踏まずに関係する足のトラブル
土踏まずの形状は人により様々ですが、変形が顕著な場合にはトラブルを抱えやすくなります。
扁平足:足全体が地面に触れるように、足の縦アーチが低下するか消失している状態です。足の衝撃を吸収する機能が不十分で疲れやすくなりますが、歩行に影響があるなど重症の疑いがない限りは、個体差の範囲と考えられ、足底筋の強化やアキレス腱のストレッチ、アーチサポート付きのインソールの使用などで対応します。
扁平足|原因と症状 インソールは扁平足に良いのか?
https://www.zamst-online.jp/hpgen/HPB/entries/159.html
凹足:足の縦アーチが異常に高くなります。土踏まずが高すぎても衝撃吸収能力が低下し、母趾球部とかかとにかかる負担が大きくなります。扁平足と同様に多少の変形であれば過度な心配は必要ありません。
開張足:横アーチがなくなり、中足骨(足の甲にある5本の細長い骨)が扇のように広がっている状態を指します。外反母趾になるリスクが増えます。
足アーチ崩れによる足の変形|開張足・凹足・扁平足など
https://www.zamst-online.jp/hpgen/HPB/entries/180.html
外反母趾:足の親指が小指側にくの字に変形して、親指の付け根で痛みや腫れが現れる症状で、土踏まずの形状の変化や低下が原因になる場合があります。
外反母趾|症状と予防 スポーツ選手にも起こる足の親指の痛み
https://www.zamst-online.jp/hpgen/HPB/entries/178.html
足底腱膜炎:主にランニングやジャンプ動作を繰り返すことなどで足底への負担が大きくなり、腱の変性や炎症が起こってしまうことで発生するケガです。オーバーユースが主な原因のため、痛みを感じたらすぐに安静にし、足底の負荷を軽減します。足底腱膜に影響する筋群のリラクゼーションを目的として、ストレッチングを行い、症状が軽くなってきたら、少しずつ足底の筋力強化を行います。
足裏を鍛えるストレッチとトレーニング
土踏まずに関係する足のトラブルの保存療法の一つに、アーチサポート付きのインソールの使用があげられます。そのためにも、まずは自分の土踏まずの形状を知るところからはじめましょう。自宅で簡単に診断出来る方法については、「あなたの足裏のアーチにおすすめの、スポーツインソールの選び方」をご覧ください。
また、保存療法として推奨される足底筋の強化やアキレス腱のストレッチには以下のようなものがあげられます。(ただし、足底腱膜炎の場合は足底の筋力強化は症状が軽くなってから行います)
足裏・足趾のストレッチ1
指の間に手を入れ、ゆっくりまわします。

足裏・足趾のストレッチ2
足を手で覆い、指を曲げます。15~30秒キープし、反対側も同様に行います。

足裏・足趾のトレーニング
タオルギャザー
タオルを足の指でたぐり寄せます。なるべく大きな動作で行います。 慣れてきたらペットボトルなどをタオルの上に置いて強度を上げます。

足裏・足趾のトレーニング
グーパー運動
足の指を開いたり、閉じたりする動作を繰り返します。開くときは左右に大きく開き、指を反らします。 出来る限り大きく動かしましょう。

アキレス腱のストレッチ
足を前後に開いて、壁に両手をつきます。後ろの足のかかとが上がらないように注意しながら前の足を曲げて体重を前にかけます。

参考文献
- 『Sports Medicine Library』ZAMST
- 『対策HAND BOOK 足の痛み』ZAMST
- 医療情報科学研究所 『病気がみえるvol.11 運動器・整形外科』メディックメディア
- Chauhan HM, Taqi M. Anatomy, Bony Pelvis and Lower Limb: Arches of the Foot. [Updated 2022 Nov 9].
- Chauhan HM, Taqi M. Anatomy, Bony Pelvis and Lower Limb: Arches of the Foot. [Updated 2022 Nov 9].
記事監修・ドクター紹介

毛利 晃大先生
順天堂大学医学部卒業、日本救急医学会専門医、日本整形外科学会会員
日本医師会認定スポーツ医、日本バスケットボール協会スポーツ医学委員会所属ドクター
スポーツによる脚のむくみと筋肉疲労

スポーツによる脚のむくみと筋肉疲労

運動中に、あるいは長時間立ちっぱなしや座りっぱなしの状況でふくらはぎがむくみ、脚の動きがにぶってしまうことはありませんか。スポーツであればパフォーマンスの低下にもつながってしまいます。この現象には脚の血液の流れが大きく影響しているようです。今回は特にふくらはぎを中心とした脚のむくみと筋肉疲労の原因、その解消方法について整理してみます。
ふくらはぎのポンプ活動
血液は動脈を通って体をめぐり、全身に酸素を届けたことによって酸素が少なくなった血液は、静脈を通って心臓に戻ります。脚をめぐった血液は重心に逆らって心臓に戻りますが、その際に大きなはたらきをするのが、ふくらはぎの筋肉です。ふくらはぎの筋肉がポンプのように収縮することで、血液を心臓に送り返す手助けをします。脚の静脈には、内側に弁がついていて重力による逆流を防ぐようになっていますが、筋肉の収縮がこれを助け、血液が滞るのを防いでいるのです。この働きのため、ふくらはぎを「第二の心臓」と呼ぶこともあります。
しかし、疲れたり同じ姿勢でいたりすると、この機能も低下します。血液が心臓に戻りにくくなり(脚に血液がたまりやすくなり)、脚がむくみ、だるくなることにつながります。

- 筋肉の収縮時:筋肉の収縮により弁は開き、血液を上方へと押し上げます。
- 筋肉の弛緩時:筋肉の弛緩(しかん)時には弁は閉じ、血液の逆流を防ぎます。
脚の筋肉疲労
激しい運動を繰り返していると、むくみなどの状態を超え、脚が上がらなくなる、動かなくなることもあります。筋肉は疲労が蓄積することで、収縮力が弱まります。これを筋肉疲労と呼びますが、筋肉疲労の原因はまだ完全に解明されているわけではありません。今のところ、エネルギー源が減少することに加え、乳酸などの代謝物質が蓄積されることが原因の一つとされています。筋肉の活動には酸素が不可欠ですが、疲労すると上述したポンプ活動などの活動も弱くなることから、ますます酸素の供給が追いつかなくなってしまうことが考えられます。
脚の疲労回復
疲労回復のためには、まず十分に休息をとること。それに加え、ストレッチや軽い有酸素運動、血液循環を促すアイシングをすることをおすすめします。さらに糖分やビタミンB1の接種も効果があると言われていますが、ここではアイシングとストレッチをご紹介します。
1. アイシング
激しい運動の後は軽いジョギングやストレッチを行い、その後10~15分程度のアイシングを行います。氷のう等を使い、心臓から遠いところからアイスマッサージを行います。アイシングをすることで血管が一時的に縮み、しばらくするとリバウンド効果で血管が拡張します。これにより血行が改善され、乳酸などの疲労物質の分解・吸収が促進されます。
また、アイシングはケガをした後のリハビリの際にも重要です。

なお、アイシングを行う際には、次のような体の反応に注意しましょう。
- 過敏症:寒冷刺激に対して過敏症のある場合にはアイシングは行わないようにします。過敏症とは、寒冷じんましんや血流低下によるチアノーゼ(皮膚が青紫色になる状態)などをいいます。
- 凍傷:アイシングの時間が長すぎると凍傷をおこす場合があります。また、氷や保冷材の表面に霜が付いているような場合は注意が必要です。表面が解けてから使用しましょう。
- 体温低下:広範囲や長時間のアイシングを行う際は体温の低下に注意します。

アイシングのための氷のうは市販のものを使用する他、ビニール袋に氷を入れて作るなど、身近にある物でも代用可能です。
2. ストレッチ
運動後には、筋肉の疲労回復のために、必ず適度なストレッチを行いましょう。また運動前にも、ケガ予防のために実施しましょう。なお、ストレッチは反動をつけずにゆっくりと、筋肉を伸ばしていることを意識して行います。反動をつけてストレッチすると、元に戻ろうと対抗する力が発生し、十分なストレッチ効果が得られません。
ふくらはぎのストレッチ
STEP 1
- ①腕立てふせの姿勢から、両手を両足のつま先に近づけておしりを上げながら三角形を作ります。
- ②おしりが一番高くなった状態で左足を上げ、右足のかかとをゆっくり床に押し付けます。
- ③ふくらはぎが伸びていると感じたら、そのまま少し静止します。
- ④反対側も同じように行います。

STEP 2
- ①右足のつま先を、図のように段差に乗せ、息を吐きながら、かかとを下げます。
- ②ふくらはぎが伸びていると感じたら、そのまま少し静止します。
- ③反対側も同じように行います。

太もも(前面)のストレッチ
ふくらはぎの次は太もものストレッチも行いましょう。
STEP 1
- ①まっすぐ立って、右膝を折り曲げて、両手で右足の甲を持ちます。
- ②背すじを伸ばし、右足のかかとをおしりへ引き寄せます。
- ③反対側も同じように行います。
※バランスがくずれないように注意して行います。

STEP 2
- ①床に横向きに寝転びます。
- ②左手は頭上に伸ばしておきます。
- ③右膝を折り曲げて、右手で右足の甲をつかみます。
- ④右足のかかとをおしりに引き寄せ、膝を後ろへ引きます。
- ⑤反対側も同じように行います。

太もも(後面)のストレッチ
STEP 1
- ①床に座り、左脚を伸ばします。
- ②右脚を曲げて、かかとを左の太ももにつけます。
- ③左脚を伸ばしたまま、息を吐きながら、左の太ももに近づくように上半身をたおします。
- ④太ももの裏側が伸びていると感じたら、そのまま少し静止します。この時、右脚が床から離れないようにします。
- ⑤反対側も同じように行います。

STEP 2
- ①あお向けに寝て、両膝を立てます。
- ②右膝を曲げたまま引き上げ、両手で足首の少し上をつかみます。
- ③右脚を胸のほうへゆっくりと引き寄せます。
- ④右膝を少しずつ伸ばし、太ももの裏側が伸びていると感じたら、そのまま少し静止します。
- ⑤反対側も同じように行います。

太もも(内側)のストレッチ
STEP 1
- ①イスに座り、やや広めに両脚を開きます。
- ②足は床につけ、つま先は外側に開きます。
- ③手を膝において息を吐きながら、背すじを伸ばして上半身を床のほうへたおします。
- ④手で膝を外側に押し、太ももの内側が伸びていると感じたら、そのまま少し静止します。

STEP 2
- ①右脚を前に出して、両足を60cmほど開いて立ちます。
- ②左足のつま先は、正面に対し外側に90゜開きます。
- ③右手を腰におき、息を吐きながら、右膝を曲げながら前方に出して、体重をかけていきます。
- ④左脚の太ももの内側が伸びていると感じたら、そのまま少し静止します。
- ⑤反対側も同じように行います。

参考文献
- 『対策HANDBOOK 効果的な疲労対策』ZAMST
- 『Sports Medicine Library』ZAMST
記事監修・ドクター紹介

毛利 晃大先生
順天堂大学医学部卒業、日本救急医学会専門医、日本整形外科学会会員
日本医師会認定スポーツ医、日本バスケットボール協会スポーツ医学委員会所属ドクター
トップアスリートによるインソール・サポーターの使い方(サッカー編)|明治大学体育会サッカー部インタビュー

トップアスリートによるインソール・サポーターの使い方(サッカー編)|明治大学体育会サッカー部インタビュー

トップレベルの選手たちがサポーターやインソールをどのような目的で使用しているのかについては、一般的にはそれほど知られていません。ケガを防ぐためなのか、それともパフォーマンスを向上させるためなのか、具体的な利用シーンはどのようなものなのか。その利用実態を知るため、大学サッカー界をリードする名門、明治大学の中村草太選手(FW)、林晴己選手(MF)、そして新井康希トレーナーにお話をお伺いしました。
サッカー選手とインソール(中村選手の場合)

どういう目的でインソールを使い始めましたか?
中村選手:自分は結構ネンザ癖があったので当初はパフォーマンス向上よりも、ケガの予防を目的に使用することを考えていました。インソールを使うようになって、高校の時と比べて足首のネンザなどが少なくなったと思います。かつて使用していたインソールは薄くて柔らかかったのですが、アーチ部分の厚さや固さの強度がプラスされたサッカー専用のインソールはサポート力に差を感じています。
スピードや球際の駆け引きに定評のある中村選手ですが、そのパフォーマンスを支えるという点でもメリットを感じますか?
中村選手:スパイク内でのずれが少ないことから、切り返しの動きがしやすいと感じています。ずれるという感覚をなくすために、実はいろいろ試行錯誤をしていました。今は、機能性ソックスとインソールを組み合わせることで、そのずれる感覚が大幅に軽減されました。
踏ん張る瞬間に足とスパイクがずれないこと、そして力をしっかりと加えられるようになった点で、僕のプレースタイルと相性が良いと感じています。具体的に言うと、大事な場面での一歩目や、力をしっかりと加えたい一瞬のタイミングで力を最大限に発揮しやすいと感じています。

中村選手は、練習用、試合用それぞれのシューズにインソールを入れている。交換頻度は1年に1回くらいとのこと。
ケガの防止という観点で、どういうことを意識してプレーしていますか?
中村選手:インソールやサポーターなどを活用していくことももちろんですが、練習後の交代浴や、夜のストレッチ、水分摂取の方法など、自分自身で行えるケアも積極的に取り組み、少しでもケガの予防をしてパフォーマンスにつなげることにを意識しています。
特に大学1年生の時は、身体がまだ明治大学サッカー部の練習強度に慣れていなくて、ケガをしやすい時期でした。その際、先輩たちが行っているケアを率先して取り入れるようにしました。高校と比べて大学のレベルは格段に高く、別世界に来たような感覚でした。そのため、練習の厳しさを経験する中で、自分の身体は自分で守る必要があると痛感しました。
また、周囲の選手たちが日常的に行っている身体ケアを目の当たりにすることで、自分にとっても自然と当たり前の習慣として意識できるようになってきた点はすごくありがたい環境だと思います。
サッカー選手とサポーター(林選手の場合)

林選手がサポーターを使い始めたきっかけを教えてください。
林選手:高校と大学で足首をケガした経験があり、その回復や予防のためにサポーターを使い始めました。自分はテーピングが嫌いだったのでトレーナーに相談したら「FILMISTA ANKLE」を薦められて使ったのが最初です。薄くて、すぐ着けられる感じが気に入って、主に足首をケガした際に使っています。

林選手が使っていたのは「フィルム」のように薄く、「安定感」をもたらす新世代サポーター「FILMISTA ANKLE」。ウレタンフィルムがテーピング理論に基づいて最適配置され、内反の動きを抑制。
テーピングと「FILMISTA ANKLE」のようなサポーターとの違いはどこにありますか?
林選手:テーピングはかさばってしまうことが多く、また固定が強すぎると動きに制限が出すぎます。また練習や試合中にずれたりすることも気になります。着けるのに時間がかかる点も不便です。
一方、「FILMISTA ANKLE」は主に練習で使用していましたが、違和感はほとんどないです。サッカー中は着けている感覚もあまりなく、必要な部分への適度な固定がされていますが、過度ではありません。何よりも、ボールにタッチする際の感覚もほとんど変わらない印象です。ケガをしている時は、サポーターの方が自分にあっていると思います。
身体のケアなどの側面で、明治に入ってから意識は変わりましたか?
林選手:大学に入ってからは、ストレッチの時間が格段に増え、食事にも一層意識を向けるようになりました。特に、先輩たちが体調管理に注力している環境があったため、自ずとその重要性に気づき、自分自身がどういう存在になりたいのかを考え、必要な身体ケアに取り組むようになりました。
例えば、お風呂上がりには、特に硬くなりがちな部分に時間を費やしてしっかりとケアをしています。その手法は、トレーナーやコーチからのアドバイスを基にしています。特に足首を痛めやすかった問題に対しても、足の裏から始めるケア方法を採用しています。
こうしたことはプレーで自分を最大限表現していくために継続していくべきだと思っています。チームに欠かせない存在になるには、まだまだプレーに波があるので安定させていかなければならない。身体が重かったりすると、コンディションにも影響しますし、ミスにもつながります。今の自分には安定こそが課題なので、その一つの側面として身体に向き合うことも大事にしています。
大学サッカーにおける自分の身体との向き合い方

朝練から見ていましたが、朝からハイプレッシャーな練習でしたね。ハードな練習をしているからこそ、ケガのリスクもそれなりにあると思いますが、どのあたりに注意されていますか?
新井康希トレーナー:朝の練習はフルコートやハーフコートと多様ですが、基本的には最後に試合形式で練習を締めくくっています。フィジカルコーチはウォームアップから練習までの間で行うべきストレッチなどの要素を取り入れるほか、選手個別の対応もしています。監督からは「今日はこのような練習になるので、このようなアップをしよう」という具体的な指示が出されることもあります。
選手への個別対応では、ストレッチの方法などのアドバイスはもちろん、食べ物や飲み物のアドバイスも含みます。ただし、選手が先輩から聞いて「自分で考えて」実践していくということが明治本来のスタイルです。
トレーナーさんと選手のコミュニケーションは主にどの場面が多いですか?
新井康希トレーナー:コミュニケーションする機会が多いのはリハビリなどで活用するケアルームですね。リハビリ中の選手や動けない選手はケアルームで治療をして、その後にグラウンドに出てきてリハビリをするという流れになります。また、練習が始まる前後でもグラウンドでのケアがあり、体調が不安定な選手やリハビリから復帰した選手には特に声を掛けています。
例えば、朝の練習前には基本的にテーピングを施したり、ケガをしている選手には参加できるかどうかの判断を下したりもしています。練習前に行う補強のアドバイスも、ケアルームで行うことが多いです。
リコンディショニングの段階では復帰のためのメニューを提示しています。「これができるようになったから、そろそろジョギングを開始しようか」というように会話をしながら、段階的にプログラムを組みます。今は3人体制でサポートしているので、そのあたりは手厚い環境かもしれませんね。
リコンディショニングの際、選手の中には早く復帰したいがために無理をする人もいると思いますが、そのあたりはどう見極めていますか?
新井康希トレーナー:痛みの評価や筋力的な評価などを加味して「このレベルだとこの範囲で動ける」といった指摘や、「このペースで行くと再度離脱する可能性がある」というアドバイスを行っています。みんなギリギリのところを攻めているので、難しい判断もしばしばあります。
さらに、可動域や痛みの状態をチェックし、「この段階なら走れる」「ステップを開始できる」「ジャンプが可能だ」といった評価をしています。選手によって痛みの耐性が異なるため、客観的な評価だけでなく選手自身の主観的な評価も重視しています。また、監督やコーチともコミュニケーションを取り、総合的な判断を下しています。
1年生は特に練習の質も変わりますし、自分と向き合って考える力も未熟だったりするので、負担を感じやすいと言えるでしょう。監督も自分で考える力をすごく大事にしている方なので、それを1年生の段階で、実践できるように伝えていくのもトレーナーの役割だと思っています。
サッカーでトップを志す学生たちに自分の身体との向き合い方でアドバイスできることなどはありますか?
新井康希トレーナー:明治は確かに身体のケアという側面では手厚いかもしれませんが、だからといって選手が受動的にならないように心がけています。何よりもセルフケアを一番大事にしています。自分で考えながら自分の身体と向き合っていくことが、トレーナーがいようがいまいが、自分で考え自分の身体に誠実に向き合うことが大切だと信じています。外部からの情報を取り入れること、指導者や先輩の教えも確かに重要ですが、それらを通じて自分自身の考えを形成することが最も価値のある点だと考えています。
ジャンパー膝とは|膝のお皿(膝蓋骨)周辺の痛み

ジャンパー膝とは|膝のお皿(膝蓋骨)周辺の痛み

ジャンパー膝とはその名前が示すごとく、激しいジャンプなどを必要とするスポーツで起こる膝の痛みで、膝蓋腱や大腿四頭筋腱の炎症によって発症します。バレーボール、陸上競技(走り幅跳びや走り高跳び)、バスケットボール、長距離走、スキーなどに生じやすいトラブルで、膝の伸展におけるスピードやパワーが繰り返し要求されることに起因する膝のスポーツ障害です。
ジャンパー膝とは
ジャンパー膝とは?
ジャンパー膝は、膝の伸展動作の過度な繰り返しにより発生するスポーツ障害で、特に膝蓋骨の周りに局所的な痛みを感じることが特徴です。主に、膝蓋骨や大腿四頭筋腱にストレスが蓄積されることによって生じます。
ジャンパー膝は膝の動きとどう関係するの?
膝関節を伸展(伸ばす)させる時には、大腿四頭筋が縮み、膝蓋骨、膝蓋靭帯、膝蓋靭帯と脛骨の付着部分にも牽引力が加わります。その牽引力が過度になることで膝蓋骨周辺に微細損傷が生じ、炎症が起きます。なお、膝蓋骨周辺よりも下部の膝蓋靭帯と脛骨の付着部分の痛みは、オスグッド・シュラッター病の可能性があります。
オスグッド・シュラッター病|成長期に多発する膝の痛みについてはこちら
https://www.zamst-online.jp/hpgen/HPB/entries/154.html

ジャンパー膝(膝蓋靭帯炎):ジャンプを多く行うスポーツ選手にみられます。ジャンプの繰り返しにより、膝に負担がかかり、膝蓋靭帯や大腿四頭筋を痛めてしまいます。
オスグッド・シュラッター病:スポーツをする成長期の男子に多くみられます。膝蓋靭帯と脛骨の付着部分がはがれたり、炎症を起こしたりします。
ジャンパー膝の症状
ジャンパー膝になるとどんな痛み?確認方法は?
ジャンパー膝に関しては、大腿四頭筋に筋肉痛が起こる、階段の昇降がつらい、膝下が痛い等の症状が出始める前に大腿部になんらかの兆候(脚全体がパンパンに張るなど)があることが多いため、そういう場合は早めに予防処置がのぞまれます。 軽度のジャンパー膝では、スポーツの後に痛みますが、症状が進むとスポーツ中にもプレーの続行が難しくなるほどの痛みを感じます。その場合、局所に熱や腫れを伴う場合があります。
症状が進んだ状態では、うつぶせでゆっくり膝を曲げると痛みを覚えます。また大腿前面の突っ張ったような痛みを避けるために、臀部が浮きます。

ジャンパー膝になりやすい人は?
バレーボール、バスケットボール、走り幅跳び、走り高跳びなどの跳躍スポーツで、発生率が高いと言われています。12〜20歳に好発し、特に10代の男性が多いとされています。但し30代以上のアスリートでも発生する可能性があります。
ジャンパー膝の治療とリコンディショニング
ジャンパー膝はどう治すの?
ジャンパー膝の治療は、運動前のストレッチングや運動後の局所のアイシングをするなどの保存療法が中心となります。腱に断裂があるなど、難治の場合には手術が検討されることもあります。
なお、保存療法の目安としては以下のようなことがあげられます。
運動後に痛みが生じる場合 | 運動前の大腿前面のストレッチングと運動後の局所のアイシングを徹底して行い、さらにサポーターを使用することが推奨されます。 |
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運動前後に痛みが生じる場合 | 上記の対処法に加え、ジャンプ動作の休止を検討し、膝と股関節を中心とした下肢の運動療法を実施し、さらに局所のアイシングも行います。 |
運動に支障をきたす痛みの場合 | 数ヶ月間の運動休止が必要となり、この期間中に下肢の筋肉のバランスを向上させるためのストレッチングを実施します。疼痛が消失したら、トレーニングの再開を検討します。 |
ジャンパー膝を予防するために
- ジャンパー膝は進行すると治療が長期にわたる可能性があり、引退を早めるリスクもあるためオーバーユースになる前に練習量や練習時間を調整することが重要です。
- 大腿四頭筋に筋肉痛が起こる等のジャンパー膝につながる予兆がある場合には、膝蓋腱の起始部や付着部に過大な力が加わらないように設計されているサポーターの使用がおすすめです。
- 運動の前後にきちんとウォームアップとクールダウンを励行することがオーバーユースの障害を予防する基本となります。特に激しい練習や試合後には、リカバリーヒート(運動直後のまだ体温が高い間)の段階で十分なストレッチングを行うように心がけましょう。特に以下のストレッチを時間をかけて行うことを推奨します。
大腿四頭筋・腸腰筋のストレッチ
臀部のストレッチ
前脛骨筋のストレッチ
参考文献
- 『SPORTS MEDICINE LIBRARY』ZAMST
- 『対策HAND BOOK ヒザの痛み』ZAMST
- 医療情報科学研究所 『病気がみえるvol.11 運動器・整形外科』メディックメディア
- Santana JA, Mabrouk A, Sherman Al. Jumpers Knee. [Updated 2023 Apr 22].
記事監修・ドクター紹介

毛利 晃大先生
順天堂大学医学部卒業、日本救急医学会専門医、日本整形外科学会会員
日本医師会認定スポーツ医、日本バスケットボール協会スポーツ医学委員会所属ドクター
有痛性外脛骨とは|スポーツをする学生に多い足の内側の痛み

有痛性外脛骨とは|スポーツをする学生に多い足の内側の痛み

足の骨が普通の人よりも多い人が一定数いるのをご存知でしょうか。実はそれほど珍しいことではありません。英語ではこうした骨をアクセサリーボーンと呼んでおり、この呼び方のほうがイメージしやすいかもしれません。足の甲から土踏まずにかけて、舟状骨(しゅうじょうこつ)という骨がありますが、この骨ができる過程でできた過剰な骨、アクセサリーボーンを「外脛骨(がいけいこつ)」と呼んでいます。約15%の人がこの骨を持っており、多くの人は気づかないまま生活をしています。しかし、スポーツ活動などを契機に痛みを起こすことがあります。それが有痛性外脛骨(ゆうつうせいがいけいこつ)です。
有痛性外脛骨とは
外脛骨とは?
舟状骨が形成される際、一つにまとまるはずの骨の一部が残ることで「外脛骨」という過剰骨が生まれます。女性のほうが男性よりもこの骨が発生する確率が高いと言われています。
有痛性外脛骨とは?
舟状骨には、ふくらはぎの「後脛骨筋」という筋肉が付着しています。運動をする際、この筋肉が繰り返し引っぱられることで、外脛骨周辺に炎症が発生し、痛みを引き起こすことがあります。特にスポーツなどの活動をすると、この状態が悪化することが考えられます。

有痛性外脛骨の症状
有痛性外脛骨はどんな痛み?
主に中足部(土踏まずのすぐ上の部分)に痛みが現れます。この痛みは主にスポーツなどの活動中、またはその直後に感じられます。特に、中足部に外脛骨の隆起が見られる場合、運動中にこの部分や土踏まずの痛みが増強することが多くなります。
また、骨の隆起部分が赤くなったり腫れたりすると、その部位は非常に敏感になり、圧力を感じると強い痛みを伴うことがあります。その痛みのために靴を履くことが困難になる人もいます。

有痛性外脛骨になりやすい人は?
女性に外脛骨が多く見られるため、発症するリスクも女性のほうが高いとされています。特に、ランニングやバスケットボール、バレーボール、バレエなど、ふくらはぎに大きな負担がかかるスポーツを行っている人は、外脛骨に関連した痛みに注意が必要です。
さらに、扁平足の人も外脛骨の痛み(有痛性外脛骨)を引き起こしやすいとされています。これは、扁平足の状態で後脛骨筋へのストレスが増加し、その結果として外脛骨周辺に炎症が生じやすくなるからです。
有痛性外脛骨の治療とリコンディショニング
有痛性外脛骨かどうかはどのように判断するの?
一般的に専門医では、患者の痛みを特定するために特に外脛骨の隆起部を確認します。炎症や腫れのサインを探るための検査も行われます。続いて、レントゲン検査で外脛骨の存在やその具体的なタイプを調べます。もし痛みや炎症が進行していると判断された場合、より詳しい状態の評価のためにMRIや他の高度な画像検査を行うことも考慮されます。
有痛性外脛骨はどう治すの?
外脛骨の問題は、骨の成長に伴い自然に治る可能性があるため、主に以下のような療法が採用されます
- 運動を控える、または完全に安静にする(場合によりギプスの装着など)
- 足のアーチをサポートする機能を持つインソールの使用
- 筋力を増強し、炎症を抑えるための理学療法やエクササイズ
- 炎症や痛みの軽減のためのアイシング(冷やすこと)
- 痛みや炎症を和らげるためのステロイド剤(経口摂取や注射)
有痛性外脛骨を予防するために

- 外脛骨を持ち、さらに偏平足の条件を併せ持つと、有痛性外脛骨のリスクが増加します。このリスクを軽減するために、アーチサポート機能を持つインソールの使用を検討し、足への負担を軽くすることをおすすめします。
- 足底の筋力を強化することは大切です。具体的には、タオルギャザーのようなエクササイズを行います。
足裏・足趾のトレーニング
- 運動前後には、ふくらはぎのストレッチをしっかりと実施することで、筋肉の疲労の蓄積を防ぐことが期待できます。継続的なケアとして、この習慣を取り入れることをおすすめします。
下腿(ふくらはぎ)のストレッチ
- 下腿の筋力を強化しましょう。
足首周囲・下腿のトレーニング
参考文献
- 『INSOLE GUIDE BOOK』ZAMST
- 医療情報科学研究所 『病気がみえるvol.11 運動器・整形外科』メディックメディア
- Prapto D, Dreyer MA. Anatomy, Bony Pelvis and Lower Limb: Navicular Bone. [Updated 2022 Aug 29].
記事監修・ドクター紹介

毛利 晃大先生
順天堂大学医学部卒業、日本救急医学会専門医、日本整形外科学会会員
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