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ジョーンズ骨折とは|症状と予防 10歳くらいから高校生までは特に注意

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ジョーンズ骨折とは|症状と予防 10歳くらいから高校生までは特に注意

ジョーンズ骨折をはじめとする中足骨の疲労骨折は、足部アーチへの繰り返しの負荷、特にランニングやジャンプ動作による過度なストレスが原因で生じるスポーツ障害です。金属板が金属疲労で折れる現象と似て、繰り返しの体重負荷によって中足骨が影響を受けます。これは突然の骨折とは異なる原因であり、見落とされがちです。この記事では、サッカーやフットサルで増加しているジョーンズ骨折に焦点を当てます。

ジョーンズ骨折とは

ジョーンズ骨折は、中足骨骨折の中でも足の小指の骨を形成する第5中足骨の疲労骨折です。第5中足骨の骨折にはジョーンズ骨折以外にも図に示す通り、基部剥離骨折(下駄骨折)、骨幹部疲労骨折があります。この3つは発生場所が近いものの治療方法も異なるので、専門の医療機関での診断が推奨されます。好発年齢は、骨成長期の選手、特に10歳くらい~高校生と言われていますが、種目や運動量により成人でも発生します。

ジョーンズ骨折の症状

ジョーンズ骨折はどこが痛むのか

発生場所の近い基部剥離骨折(下駄骨折)は受傷直後から強い痛みと腫れ、内出血がみられます。一方、ジョーンズ骨折の場合は、はじめ(なりかけ)はスポーツ中などに足の外側に軽い痛みを感じます。但し初期の症状は軽微であるため、だましだまし練習を続けてしまいがちです。

そのまま放置していると、やがて痛みが強くなります。さらに進行してしまうと完全な骨折に至り、歩行が困難になるばかりか、治療にも時間がかかりますので、足の外側に痛みを感じたら早めに診断を受けましょう。

治療とリコンディショニング

ジョーンズ骨折は自然に治るの?

自然に治ることを期待するのは適切ではありません。 まだ成長期にある中学生の場合は保存療法(非手術的な治療)が中心になります。荷重トレーニングの回避、アイシング、歩行時に強い痛みがある場合は松葉杖により体重をかけないようにする、ギプス等による固定などが含まれます。

一方、成人では、骨にヒビが入っただけの際は、松葉杖とギプス固定(4~6週間)などで対処することもあります。しかし、ジョーンズ骨折は骨の癒合が難しく、再度の骨折リスクが高いため、特別なスクリューやワイヤーを使う手術療法が選択されることも多くなります。手術後にも松葉杖を使ったリハビリやリコンディショニングの過程を経る必要があり、競技に戻るまで約3ヶ月程度はかかると考えたほうがいいでしょう。

ジョーンズ骨折は再度の骨折リスクや骨の癒合不全が起きやすいため、プレー復帰の見切り発車をせず、医療機関の指示を守りましょう。

ジョーンズ骨折からのリコンディショニングは?

足の痛みがあるうちは:座った状態で行える足の指のエクササイズを推奨します。タオルギャザーやマーブル拾いがおすすめです。

足裏・足趾のトレーニング

歩ける程度になったら:徐々に体重を加えたエクササイズを開始します。壁に手をつけてのカーフレイズ、アンクルバウンス(足首を使ってその場ジャンプすること)、踵〈かかと〉歩行やつま先歩行、早歩きから、徐々にジョギングへとシフトしていきます。 急激なトレーニングを行うことのないようにしましょう。

ジョーンズ骨折の予防と再発防止のチェックポイント

Point 1足裏マッサージなどで疲労を蓄積しないようにする

青竹踏みによる足裏のマッサージ

Point 2足の特定部分に負荷がかかりやすい場合、インソールでカバーする

足部の形態的な特徴ゆえに、足裏全体で体重の衝撃を吸収して逃がしたりできず、ある1点に何度も負担がかかりそうな場合は、足の形状に合わせたインソールなどが予防につながります。

スポーツインソールという選択肢
https://www.zamst-online.jp/hpgen/HPB/entries/134.html

Point 3正しいサイズと足の特徴に合ったシューズを選ぶ

Point 4体重管理

急激な体重増加も要因となりますので、体重に注意することも重要です。

まとめ

  1. ジョーンズ骨折の特徴
    ジョーンズ骨折は、足部アーチへの繰り返しの負荷、特にランニングやジャンプ動作による過度なストレスが原因で生じるスポーツ障害の一つで、足の小指の骨、第5中足骨の疲労骨折です。
  2. ジョーンズ骨折の症状
    最初は足の外側で軽い痛みを感じますが、これが放置されると徐々に痛みが増して完全な骨折へと進行する可能性があります。早期の診断と治療が勧められます。
  3. 治療とリコンディショニング
    成長期では保存療法が中心ですが、大人の場合は手術療法が選択されることもあります。治癒後のリハビリは、痛みがある間は軽い足の指のエクササイズから始めます。痛みが和らいだら徐々に運動量を増やしていきます。
  4. 予防と再発防止の方法
    足裏のマッサージや青竹踏み、足の形状に合わせたインソールの使用、適切なシューズの選択、そして体重管理が重要です。

参考文献

  • 『SPORTS MEDICINE LIBRARY』ZAMST
  • 医療情報科学研究所 『病気がみえるvol.11 運動器・整形外科』メディックメディア
  • Hsu H, Siwiec RM. Knee Osteoarthritis. [Updated 2023 June 26].

記事監修・ドクター紹介

毛利 晃大先

毛利 晃大先生

順天堂大学医学部卒業、日本救急医学会専門医、日本整形外科学会会員
日本医師会認定スポーツ医、日本バスケットボール協会スポーツ医学委員会所属ドクター