肉離れ（肉ばなれ）とは、ダッシュなどの動作で筋肉の収縮時に急激な過伸張ストレスが加わり、そのため筋線維の損傷（いわゆる筋肉がはがれる）や断裂が起こるケガの一般的総称です。肉離れは、陸上競技、サッカー、テニス、バドミントン、アメリカンフットボール、野球、バレーボール、バスケットボールなどをはじめ、急にスポーツを始めようとするタイミングでも起きやすいケガです。例えば、ダイエット目的などでランニングを開始したタイミングや、会社や学校のスポーツイベントでも起きやすく、軽度の運動でも注意が必要です。

こんな時に起きやすい肉離れ。運動会シーズンは要注意

春や秋は運動会のシーズン。保護者が参加する競技で、肉離れを起こしてしまうシーンを見たことがある人も多いのではないでしょうか。張り切りすぎなどと片付けてしまわれがちですが、肉離れが起きる原因としては、次のようなことが挙げられます。

③の各筋群（きんぐん）のバランスとは、重要なものでは、太ももの前面と後面の筋力のバランスがあります。ハムストリングス（太もも後面の筋肉）の筋力が大腿四頭筋（だいたいしとうきん：太もも前面の筋肉）の50％以下になると、ハムストリングスの肉離れが起きやすいと言われています。

運動会での肉離れは、上記の原因が複合的に絡み合っているケースが多いと思われます。例えば普段運動不足にも関わらず、ウオーミングアップやストレッチをしないでスタートしてしまい、加えて速く走ろうと意識するあまり、不自然なフォームになり、負荷がかかってしまうなどのケースです。運動会程度だからと過信せず、参加が決まったらしっかり準備して臨みましょう。

気休め程度のストレッチになっていませんか

さて、みなさんは運動前後に十分なストレッチを行っていますか？運動前にはケガ予防のために、運動後は筋肉の疲労回復のために、必ず“適度な”ストレッチを行いましょう。（過度なストレッチでも肉離れは発生します）またストレッチを行う際には、反動をつけずにゆっくりと、のばしている部位を意識しながら行うことが重要です。もし、ご自身が企業や学校のイベントなどの主催者の場合には、参加者のためにウオーミングアップやストレッチのプログラムをしっかり用意してあげましょう。

湘南ベルマーレ トライアスロンチーム中島靖弘監督の監修による、
ストレッチ動画

太ももの筋肉専用のサポーターとは

筋肉は衝動を受けることで振動します。太もも用のサポーターやスリーブは、太もも全体を圧迫し、疲労につながる、筋肉の無駄な振動を抑える働きをします。一度肉離れをした場合の再発予防には、患部をサポーターやテーピングで圧迫・固定し、筋肉への負担を軽くすることが効果的です。

ザムスト　サイスリーブ （太もも用スリーブ 両足入り）

しっかりした着圧を感じられます

サイスリーブは太もも全体を中心方向に圧迫しつつ、かさばりが少なく動きやすいのが特徴です。伸縮素材にフィット感があり、生地もうすいのでパンツと重ねてもはきやすいです。股関節の動きが自由なので、太ももに特化した圧迫を求める方にはタイツよりもおすすめです。

また、写真のシリコンでできたアンチスリップパターンにより、プレー中のずり落ちを防ぎます。皮膚温に反応して生地内の温度をコントロールする機能を持つ素材を使用しており、暑いときには汗を効率的に蒸散させます。（寒いときには生地が汗を保持することで気化熱によってあたたかさを保ちます）長距離ランでは、筋肉の振動がスタミナロスにもつながるので、パフォーマンスアップを狙いたい人もぜひお試しください。

アンチスリップパターンがずり落ちを防止。

ザムスト FILMISTA THIGH （太もも用サポーター 左右兼用）

FILMISTA THIGHは、太ももを圧迫しながらも、より激しい動きにも対応するサポーターです。形状がサイスリーブよりも複雑ですが、装着は簡単で、伸縮性の違うウレタンフィルムを圧着し、薄さとサポート力を実現しています。３つのストラップで写真のようにしっかりとめるので、激しいプレー中でもずり落ちを気にせず集中できそうです。圧迫力がしっかりしているので、履いただけでもすぐに安心感を感じられるのではないでしょうか。圧迫力を調整するコンプレッションパッドは取り外すことができるのでコンディションに応じて使用できます。

これが圧迫力を調整するコンプレッションパッドです。 差し込み口から簡単に脱着できます。

3つのストラップがあるため止め方が難しそうですが、ほぼ巻くだけの感覚で固定されます。テーピングよりもかんたんに装着できます。

記事監修・ドクター紹介

毛利 晃大先生

順天堂大学医学部卒業、日本救急医学会専門医、日本整形外科学会会員
日本医師会認定スポーツ医、日本バスケットボール協会スポーツ医学委員会所属ドクター