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ZAMST Online

2026.01.05

岩出玲亜選手に聞くマラソンを最後まで走り切るための準備とケア、3D計測から見えたインソールの役割

マラソンを走り切るためには、走力だけでなく、心の準備・体のケア・足元の状態といった複数の要素が重なり合います。Footcraft Fes. in Tokyoのステージに登場した岩出選手は、競技者としての経験、そして後輩を導くプレイングコーチという立場から、日頃どのようにレースと向き合い、どのように身体と足を整えているのかを語ってくださいました。

マラソンを“最後まで走り切る”ための心構えとレース前の準備

マラソンランナーとしての岩出選手の目標、そしてこんなところを見てほしいという部分はどこですか?

岩出選手:

目標は、やはりマラソンとハーフでもう少しタイムを極めていきたいですね。今自己ベストが2時間23分ですが、そこを2時間22分や21分に縮めていきたいです。見ていただきたいところは、“きつくなってからの粘り強さ”ですね。

そんな粘り強さが特徴の岩出選手が最も大切にしていることは何でしょうか。

岩出選手:

一番大切なのは“気持ちを切らさないこと”です。長い距離の中では必ず苦しい瞬間がありますが、その場面で踏みとどまれるかどうかは心の状態に左右されます。ただし、気持ちだけでは耐えられないので、普段の積み重ねが心の支えになります。“ここまでやってきた”と思える準備があるからこそ、最後まで粘る気持ちが生まれます。

レース直前の過ごし方で心掛けていることはありますか。

岩出選手:

レースの一週間前からは、とにかく“ストレスを溜めないこと”を優先します。イライラしたり、不安が強くなったりすると、それが走りに直結してしまいます。余計な情報を入れすぎない、気持ちが乱れない環境で過ごす。ストレスフリーで試合に臨む──この意識はずっと続けています。

食事についても工夫されていると伺いました。

岩出選手:

あくまで私の場合ですが、レース前は必ずカーボローディングをしています。例えば日曜日がレースだとします。その場合、月曜から水曜はタンパク質のみで生活して、一度“枯渇”させるような状態にして、木曜・金曜・土曜は炭水化物中心に切り替えます。木曜以降は、体が炭水化物を欲している状態になるので、その分エネルギーを貯蓄させてスタートに臨んでいます。ケーキのような甘いものも“エネルギーになる”という気持ちで食べています。とにかくカロリーを取ってエネルギーをチャージするというイメージですね。

大会直前の体重を気にするランナーも多いですが。

岩出選手:

結局それでエネルギー不足のままレースに臨むことになり、後半で失速します。むしろ“もうこの時期になったら、食べちゃっていいよ”とよくアドバイスしています。最後まで動き続けるためにも、エネルギーを取ることのほうが大事ですね。

マラソンランナーに必要な身体のケアと、身体の特徴を知るということ

ケガを防ぐために意識している身体のケアはありますか。

岩出選手:

私は股関節が張りやすい体質で、特に厚底シューズを履くようになってから前に体重が乗りやすくなり、股関節への負担を感じるようになりました。そこが硬くなると脚全体の動きにも影響が出るので、股関節まわりのストレッチは毎晩欠かさず行っています。“自分のどこが張りやすいのか”を把握して、そこを重点的にケアすることが一番重要だと感じています。

人はそれぞれ違うので、自分の身体をよく知り、それにあったケアを見つけることが大事ということですね。ところで岩出選手には3D足型計測も体験していただきました。左右の足長には大きな差はありませんでしたが、足幅には左右差がありました。また、足部アライメントについては右がニュートラルで、左足には足首が外側に倒れる傾向(スピネーション)が見られましたね。

岩出選手:

私は右足のほうが安定しているので、あえて“右6・左4”くらいの配分で体重を乗せていたのですが、走っているときの感覚と一致する数値が出ていました。また、ローアーチなので疲れやすさも感じています。

3D測定で見える化された左足の状態

疲れやすさを自覚しているからこそ欠かせないスポーツインソール

そのご自身の足の特徴を感じているからこそのインソールにこだわっていらっしゃるのでしょうか。

岩出選手:

はい。扁平足で疲れやすさを自覚しているので、インソールは欠かせません。以前、徳之島の遠征で足を痛めたときには、急きょ神戸に戻ってアライメントを測り直し、その日のうちに作り変えてもらって徳之島に戻りました。そのくらい、こだわっています。接地面がずれてくると、やっぱりどこか痛くなったりします。例えば練習をしすぎると土踏まずが落ちてきて、すねの内側を痛めるリスクも増えると感じています。ですからインソールを入れて足のアーチが下がらないように意識しています。

走っているうちにそんなに足の変化を感じるものですか。

岩出選手:

はい、すごく変わります。特にオフロードのような不安定な路面を走ると、一気にアーチが下がってくるのを実感します。そうした日は次に影響が出ないように、いつも以上に注意してケアをしています。

マラソンの魅力と、走り続ける理由

そのように気をつけていてもケガをしてしまったり、その影響で記録が伸びなかったりするようなとき、岩出選手はどのように乗り越えてきましたか?

岩出選手:

夢を絶やさないようにすることですね。どう優勝するかとか、どこで勝つかとか、夢や目標を持ち続けることが大事かなと思います。かといって焦る必要はありません。休んでいてもまた、走りたくなる。その気持ちを大切にしたいです。

最後に、そこまでストイックに取り組むマラソンの楽しさについて教えてください。

岩出選手:

マラソンで私が一番魅力に感じているところは、みなさんも私も同じ大会に参加して、同じコースで同じコンディションで走れるということですね。プレイヤーとしてお互いが同じ場所に立てる競技というのは意外と少ない。しかも同じウェアやシューズ、インソールのようなギアも含めてフラットに一緒に楽しめるというところが魅力だと思います。

「この一瞬一瞬を全力で生きることによって未来につながる」と語る岩出選手

岩出選手の言葉には、マラソンを走り切るための要素が端的に示されていました。
“気持ちを切らさないこと”、そしてその気持ちを支える“準備とケア”。
自分の身体の癖を理解し、そこに丁寧に向き合う姿勢は、ランナーであれば誰もが参考にできるものでした。

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  • 岩出玲亜(マラソン)

    契約選手

    Profile

    【所属】 株式会社デンソー女子陸上長距離部 FLEET SEROWS
    【生年月日】 1994年12月8日
    【出身地】三重県
    【記録】
    ・2019 名古屋ウィメンズマラソン 5位
     2時間23分52 秒 (日本人 1位)
    ・2019 マラソングランドチャンピオンシップ 9位
     2時間41分22 秒
    ・2019 国内女子マラソンタイム ランキング 1位
    【主な経歴】
    ・豊川高校(愛知県)
    ・株式会社ノーリツ(2013年4月~2017年5月)
    ・株式会社ドーム・アンダーアーマーアスレチッククラブ(2017年7月~2020年8月)
    ・株式会社デンソー女子陸上長距離部 FLEET SEROWS(2022年10月~)

    使用しているサポーター

    Footcraft STANDARD
    Footcraft CUSHION+
    FILMISTA KNEE

    【岩出玲亜選手コメント】
    マラソンランナーにとってケガへの配慮は非常に重要です。特に、足下の健康は何より大切でインソールの効果を日々体感し走っています。